18. 誓い
私はロゼッタから、聖女の始まりを聞かされた。本当に今まで色々な文献や本を読んできましたが、初めてのことが多くて驚かされたのです。
「聖女の素質がある者は、身体のどこかに痣のような「聖痕」が発現する。お主のかつての右胸にあったようにの?」
「ロゼッタありがとうなのです!為になったのです!」
「お主は本題を聞いておったのか?「聖痕」が消えた聖女それは今の話の大聖女ディアナの事なのじゃ。」
「ええ!?」
私は驚きすぎて声が出ませんでした。だってそんなことがあり得るんですか?世界の教会に在籍している聖職者なら誰もが崇めている大聖女ディアナ様が!?
混乱する頭を整理しようと努力するのです。つまり今の話が本当だとすると……その答えをロゼッタがすぐに私にくれたのです。
「お主はもしかしたら大聖女の素質があるのかもしれぬな。あくまでも可能性じゃがな?」
「私が大聖女……?」
でももしそうだとしたら私はどうすればいいんですかね。私はもう教会の人間ではありませんし……
私はチラッとミルディの方を見ます。ミルディは魔道具を一生懸命直しているのです。邪魔はできないのです。でもその姿を見て思ったのです。そう……私はカトリーナ教会を追い出されて、旅に出る時に誓ったのです
「ちょうど良かったのです!それなら私は世界の大聖女になるのです!決めたのです!ミルディ、私にも改めて夢が出来たのです!」
「ゴメンなんの話?魔道具直すのに夢中であたし話聞いてなかったんだけど?」
「ふむ。面白いのう、お主は。」
「でもなぜそれをロゼッタが知ってるのです?」
「今の話の後半部分の世界大戦の話。ワシは昔、大聖女ディアナと共に魔物を倒したからじゃ。その時の壮絶な戦いでワシは魔力を失い、ディアナは「聖痕」が消えたのじゃよ。その場におったのでな……」
はい?ロゼッタと大聖女ディアナ様が?よくわからないのです。でもロゼッタが嘘を言う理由もないですし……ん?でもそうなるとおかしいのです。ロゼッタはいくつなのです?
「あのロゼッタっていくつなのです?」
「いきなり失礼な小娘じゃな、まぁ……もう200年は生きておる。ここで魔力が戻るのを待っておるのじゃ。ワシの失った魔力はおそらくこの世界のどこかに散らばっておるからの」
「ええ!?200年!?」
思わず叫んでしまいました。魔女なので長生きなのは知ってましたが200歳を超えているとは思ってませんでした……とてもじゃないけど信じられないのです……ちなみに今は見た目は10代前半くらいにしか見えないのです。
その時、私にふと疑問が生まれる。私はロゼッタに聞くことにするのです。
「ロゼッタの魔力はあとどのくらいで戻るのです?」
「そうじゃのぉ……あと200年はかかるじゃろうな……まぁもう慣れた」
そう話すロゼッタは寂しそうな顔をしていました。ずっと1人でここに……私は今決めたはずなのです。だからロゼッタに言うのです!
「それなら私がロゼッタの魔力を戻すのを手伝うのです!」
「?……何を言っておる。そんなこと、出来る当てもないじゃろ……」
「ないのです。でもここにいるよりは可能性はあるのです!大聖女ディアナ様の親友ならば私が何とかするのです!ロゼッタ私と一緒に来るのです!私がロゼッタを救うのです!」
私の発言にロゼッタはキョトンとしていたが直ぐに笑いながら話してくる。
「ふっ親友……か。あやつは親友などではない勘違いするでない」
「違うのですか!?」
「アリーゼ。ワシは頑固だしワガママじゃぞ?それでも良いのか?」
「構わないのです。頑固な人やワガママな人の扱い方は本に書いてあったのです!問題ないのです!」
「お主も相当頑固じゃな。まぁここでの生活も飽きてきたころだしのぉ……ふむ。ある程度の魔法は使える。頼るが良い。魔法鍛冶の娘もよろしくな」
「えっ!?ゴメン全然話し聞いてなかったんだけど!?」
こうして私とミルディは極悪非道(?)の伝説の魔女ロゼッタ=ロズウェル様を仲間に加えて、今度こそ海鮮のために北の港町クレスタを目指して行くことにするのです!