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9.中学時代・洋と和

同じく私が中学生の時、父方の祖母のおばあちゃんが亡くなってしまい父の実家に二泊三日、家族みんなで泊まる事になる。


そこで私の前に、トイレ問題が立ちはだかるのだった。


父の実家の場所は、朝早くに車で出発しても着く頃には真夜中になるくらい遠い所で、渋滞なんかにたちまちハマってしまえば何時間もトイレには行けない。

でもそんな事は、私の尿意と便意の敵ではない。

(まぁ…途中でサービスエリアに寄れるし)。



問題なのはそれではなくて…………、和式トイレにあった。



和式と言うのは洋式とは違い、座る便座がなく自分でしゃがんで…いわゆるウンコ座りするしかないトイレ。今は和式トイレを見かける事はほとんどないが、私が小さい頃は店や学校、古い家ではまだまだ和式は現役で、洋式の方が逆に少なかった。


そう、父の実家も和式トイレしかなかったのだ。

私は洋式でしかウンコが出来ない。何故ならウンコ座りは長い間姿勢を保っているのが難しく、何より肛門に指を入れづらかった。

だから私は祖母の家にいる二泊三日の間はウンコを我慢する事に決意し、出来るだけ三食のご飯は少なめに腹に溜めないように気をつけながら、おばあちゃんを見送る任務を遂行すいこうするのであった。


後は帰りの長時間の移動だけ、…だったのだが私の腹は時限装置付きの爆弾と化していた。

当たり前だ、いくら少食にしても三日分のウンコが腹に溜まればヤバいに決まっている。私は車の中、お腹を両手で支えてながら撫でながら刺激しないよう優しくリズムを整え息を吸い、何時間も腹の痛みと苦しさに耐え続けた。


陣痛に耐える妊婦さんはこんなにも辛いものかと、アホな事を思いながらも、どうにかこうにか安息の洋式トイレの地へと辿り着く事が出来たのだった。


そして厄介な三日分の硬く固まったウンコをどう出すのかと言うと、禁断の薬物・下剤に手を出して強制的に退場へ。

この時は乗り切れたものの、私はこの後もウンコだけではなく和式トイレにも付きまとわれる事となるのだった。


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