目次
ブックマーク
応援する
19
コメント
シェア
通報
6.思春期

十二歳と言う年齢は思春期ど真ん中で、体に変化が現れる時期だ。小学六年生の十二歳となった、私の体にもそれはやって来る。


初めての生理が訪れたのだ。


生理、月経とはかなり簡単・適当に言ってしまえば、月一で股から出血する事なのだが…私は平均より出る量が多くて、生理の時期になると何回もトイレに行ってナプキンを交換をする羽目になっていた。

量が多いのなら下半身にある尿道・肛門とは違う、第三の穴・膣内にタンポン(入れるナプキンみたいな物)を入れれば良いと試してみるも、痛くて入れられず失敗に終わる。肛門には図々しく指を入れられるのに、膣には指と同じくらいのタンポンは入れられず。

こんな小さな場所に、チンコを入れて赤ちゃんを産んでいる世の母親達に偉大さと、ある意味の恐ろしさを私は覚えるのであった。


結局ナプキンを使うしか私には選択肢はなかったのだが、別に家にいる時は問題はなくウンコの時と違って長く入らないので家族の邪魔にもならず、お構いなしで何回も行っていた。

でも学校だとそうはいかず、血が漏れていないか気になってしまう事もあり、休み時間の度にトイレに駆け込んで教室に戻り、また休み時間になったらトイレへ行って教室に戻る…と言う行動を繰り返していたのだが…。


そのせいで目を付けられてしまう事に。


他の所は知らないが、当時の私の学校ではトイレでウンコをするのは死を意味した。

小・オシッコをするのは良し、大・ウンコをしてしまうと運が良ければイジられるだけで済むが、大抵はいじめの対象となる。

特にぼっちの、私みたいな奴は。

トイレの常連客となっていた私は、クラスの男女問わず「オムツ女」と呼ばれるようになった。すでに「ウンコマン」だったので、今更オムツもクソもないのだが…女子からにもバカにされたのは正直ショックであった。

まだ生理が来てない子もいて、分からなかったかもしれない。

しかし、登下校が一緒だった子(もちろん友達ではない)に相談してみると「私は軽いから全然分かんない」の一言で済まされてしまったので、これは他の事にでも言えるが、たとえ性別や他に同じ所があっても、理解してくれるとは限らないと私は痛感したのである。


それからと言うもの、バレないよう教室とは真逆のトイレに行ったり、放課後みんなが帰り始めた頃を見計らって入るようにしたり、頭を使い工夫を凝らしてトイレを使っていた。

限界の時は奥の手として、具合が悪いと保健室行くふりをしてトイレに行ったりと、生理中の学校のトイレは出している間も気が抜けない、まるで戦火をくぐり抜けなければ生けないような過酷な場所であったのだ。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?