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私の人生はウンコに支配されている
私の人生はウンコに支配されている
川田ワカ
文芸・その他雑文・エッセイ
2024年12月10日
公開日
9.2万字
連載中
生まれた時からウンコにまとわりつかれ、呪われていると感じながら生きている、川村和香子。
そんなウンコに支配されている、私の愛と苦しみと戦いの赤裸々エッセイ小説です。
※不定期更新です
※24話を更新し、リストバンドの表記を付け足しました。
※実話を元にしたエッセイ小説で、セミフィクションの話も含まれます。
※この作品の一部には汚いウンコ描写が含まれます。

始まり

私は白くて冷たいベットに仰向けに寝ていた。


本当に寝ているわけではなく、ただ天井を見つめぼんやり時間が過ぎるのを待つだけ。他に何もする事はない、いや、したくても出来ないのだ。

だって私の両手足と腰は、ベルトによってベットに拘束されているから。トイレにもいけないのでオムツをはかされて、まるで強制的に赤ちゃんになったようだった。

部屋のドアがノックされ誰かが入ってくる音が聞こえるが、頭と目を動かすのが面倒なのでそのまま、天井から視線は外さない。

「川村和香子さん、調子はどうですか?」平坦な男性の声だ。

調子も何も、ただ動けずベットに寝ているだけである。口にするのもめんど臭くなり、問いかけには沈黙で返答した。

「…川村さん、自分がどうしてここにいるのか、分かりますか?」

どうして、どうして私がここにいて、こんな事になってしまったのか。分かっている、だってあいつには生まれた時から付きまとわれているのだから。

頭と目を動かし、声のした方を見る。ベット近くに白衣の男性が椅子に座っていて、傍らには白衣の女性が立っていた。その人達に向かって重い口を動かす。ずっと口を閉じたままだったので、乾燥して唇同士がくっついて開く時に皮が剥け、血が滲んだ。


「ウンコです」


その単語を発した瞬間、白衣の二人が顔をこわばらせた。それでも私は続ける。

「こうなったのは全部あいつのせい、私は……」



「私の人生はウンコに支配されいるんです」


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