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第39話

 茶屋で、お茶と団子を注文する。もうだいぶ慣れたもので、お金を丸ごと差し出すことはない。それにしても、お金が全然減らない。晃生は一体いくら包んだのだろう。

「ここのお茶は美味しいですね」

「そうだね。体の中から温まる感じがするよ」

 街中でも視線を感じる。もう、それにも慣れてきた。晃生はこのことをどう思っているのだろう。どうとも思ってなさそうだけど……。


 茶屋で腹を満たして、再び佐竹邸に戻る。もう夕飯が近いのか、味噌のいい香りが漂ってきている。優斗の集中力を切らさないために、台所を避け自分の部屋に入る。

「私は自分の部屋に戻ります。何かあれば、お呼びください」

 紬はそう言い残し去っていった。一人になると、もうすぐ帰れるんだという気持ちと名残惜しい気持ちが一気に押し寄せてきた。八割方神力が回復しているということは、本当にあと一歩なのだろう。今羽には感謝しなければならない。

 そういえば、結局晃生の仕事内容を知ることは出来なかったな。本人に訊いてもはぐらかされるし。今羽なら知っているのだろうか。明日にでも訊きに行こう。

「夕飯出来たっすよ」

 少々考え事に耽りすぎた様だ。「今行く!」と返事をし、部屋から出る。もうすぐこの食生活ともお別れか。



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