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第7話

 翌日。

「おはよう、光希くん。よく眠れたかい?」

 今羽に叩き起こされた。桜はというと、朝食の準備をしているようだ。

「おかげさまで」

「じゃあ、佐竹家に帰れるかな。一人で大丈夫?」

「多分」

 曖昧に頷くと、今羽は「じゃあ、またね」と僕を神社の外へ半ば強引に追い出した。

 ……帰りたくない。どんな顔して帰れば良いのだろう。皆に心配かけちゃったかな。そんなことを考えながら歩いていると、こちらに走ってくる人影が見えた。

「光希様、こちらでしたか。朝から光希様がいないって家中大騒ぎで」

 紬だった。泣きそうな紬を見ていると、何だかとても悪いことをした気分になる。

「ごめん、夜はどうかしてた。一緒に帰ろう」

「はい!」

 ゆっくりで良いんだ。今羽の神力が戻るまで、それまでの間なのだから。

 それまで、佐竹家にお世話になろう。


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