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くんかたん
ひじり
現代ファンタジー異能バトル
2024年12月09日
公開日
35,946文字
連載中
高校進学の為に地元を離れて上京した釣枝(つりえだ)比念(ひねん)は、居候先となる骨董屋にて、架織乃(かおりの)姉妹の訓夏(くんか)と胡桃(ことう)の二人と再会する。
昔交わした約束を憶えていなかったことに腹を立てる妹の訓夏と、人をからかうことを生きがいとするかのような性格をしている姉の胡桃、この二人と共に一つ屋根の下で暮らしていくことになった。
比念は、他人には言えないような超人的な能力を持っている。接触反応といい、対象物に触れるだけで記憶の断片を覗き視ることが可能だ。そして訓夏にも同じような能力があるのだが……。

【プロローグ】

 わたしは――…、


「――××が、好きです」


 あの日以来、ずっと好きなんです。

 二人きりで誓い合い、繰り返し繰り返し確かめてみました。

 そばにいるだけで、わたしの全てをくらくらにするほどに好きなんです。


「――××が、忘れられません」


 忘れるはずがありません。

 いつも、いつでも、いつだって、わたしは憶えています。

 たとえ離れ離れになったとしても、忘れることなんてできるはずがありません。


「――××が、恋しくて我慢できません」


 一秒でも早く、欲しいんです。

 心も体も何もかも全てを奪われてしまうほどの存在感が、愛おしくてたまりません。

 時には我慢しなければならないことを恐れ、それがとても哀しくて泣きそうになります。


 でも、わたしは――…、


「――××が、好きです」


 誓い合った言葉に嘘や偽りはありません。

 この想いを叶えるために、ずっとずっと、言葉にして伝え続けることを約束します。

 ……そう、わたしは、あなたの――
















「――匂いが、大好きです」


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