「俺のターンコストとしてMPを3消費してアクションカード《情報収集》を発動。
フィールドに出ている《隠れ身》ユニットと同じ枚数分デッキからカードをドロー」
現在場に出ている《隠れ身》ユニットの枚数は4、その為俺はデッキから4枚のカードをドローし、手札の枚数を大きく増加させる
「MPを2消費しアクションカード《蜥蜴の尻尾切り》を発動。
アビリティポイントを10消費して自プレイヤーへのダメージを一度だけ無効化する《バリア》を1付与する」
《浅麦 誠》HP26+《バリア:1》
俺の前に青色のエネルギーで構成された盾のようなエフェクトが発生する。
《バリア》は付与された回数分だけユニットの攻撃によるダメージを無効化するというかなり強力な能力ではあるが、能力ダウンやアクションカード、職業アビリティによるダメージ、《毒》等の状態異常ダメージは防いでくれない為あまり見向きもされていない能力だ
だがユニットからの攻撃に限定すればたとえ攻撃力10でもシャットアウトしてしまう為、使い所さえ間違えなければ凄まじく有用だと俺は思っている。
とはいえ攻撃力1でも割られるから本当に相手の盤面次第じゃ全く効果はないんだがな
「前列右側の《デーモンシャドウ》で《侵食:アイアンナイト》を攻撃!」
『『ーーーーッ!?』』
《デーモンシャドウ》3/1→死亡
《侵食:アイアンナイト》4/2→消滅
《デーモンシャドウ》の影で出来たような真っ黒で鋭いツメと《侵食:アイアンナイト》の黒い亀裂の入った剣がお互いを貫き合い、相討ちとなる
そして先程消滅した《侵食》カードと同じで《侵食:アイアンナイト》も死亡ではなく消滅扱いとなり、全身が真っ黒に染まってから塵となっていった
「ターンエンドと同時に能力発動。
《デーモンシャドウ》の攻撃力を+1し、《潜伏シーフ》2体により1ダメージを4回振り分ける。」
『『ケケケッ!』』
「くっ!」
《デーモンシャドウ》1/1→2/1
《賭操 闘夜》HP27→24
《侵食:重装騎士団長・アハト》3/7→3/7《被ダメージ−1》《挑発》《侵食》
「私のターン!
コストとしてMPを4消費しアクションカード《侵食された力》を《侵食:重装騎士団長・アハト》に発動!
手札の《侵食》を持ったユニットカード1枚を消滅させ、選択した
『ぐうっ!?ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?』
《侵食:重装騎士団長・アハト》3/7→3/11→4/10《被ダメージ−1》《挑発》《侵食》
「更に残りのMPを消費してアクションカード《癒しの勝鬨》を《侵食:重装騎士団長・アハト》に発動!
アハトに相手ユニットを死亡させた時自身のHPを3回復させる《勝鬨》を付与する!」
成る程、どうやら賭操のコンセプトはユニット1体への大きな強化と《勝鬨》による能力付与での要塞化といったコンセプトらしい
確かに《挑発》《被ダメージ軽減》更に《侵食》による攻撃力アップと《勝鬨》はかなり相性の良い組み合わせだ
盤面勝負という面だけで見ればかなり面倒なのは間違いない
だがそれはまともに相手をすればの話でしか無い
「《侵食:重装騎士団長・アハト》でダイレクトアタック!」
『ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』
《浅麦 誠》HP26→《バリア消滅》
アハトによるハルバードの猛攻は《バリア》によって俺に届くこと無く防がれ、攻撃が止む頃には《バリア》が粉々に砕け散って消滅していった
「ターンエンドと同時に能力発動。
《侵食》により《侵食:重装騎士団長・アハト》の攻撃力を+1してHPを−1する」
『グギッ!?ァッ!?』
《侵食:重装騎士団長・アハト》4/10→5/9《被ダメージ−1》《挑発》《侵食》
「俺のターン」
正直このターンでランタン王ジャックを出しても良いには良いのだがいい加減アハトを放置するのは危険度が高くなって来た。
それに今回のデッキはランタン王ジャックを用いたギミックを使う為、ランタン王ジャックを切った場合あまり相手に構う余裕がそこまで無くなる
先にアハトの処理を優先した方が良さそうだな
「MPを5消費しアクションカード《卑劣な奇襲》を発動!
相手のダメージを受けているユニットの中からランダムな一体を《即死》させる!」
「何ッ!?」
『ぎぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!?!?』
《侵食:重装騎士団長・アハト》5/9→消滅
アハトは背後から大量に現れた黒尽くめの者たちによって全身に毒々しいナイフや矢、剣等を追加されて全身を黒く染めていく
言葉にはなっていなかったが黒く染まりきる瞬間、口パクで"ありがとう"と言っているように見えた
かなり胸糞悪いな……これ
「き……貴様!私の貴重なユニークレアを!」
「カードゲームは1ターンで状況を覆すなんて珍しくもない。
対処された時の事を想定していなかったお前が悪い」
そもそも倒されれば使えなくなるって時点で既に論外だしな
「う、うるさい!」
「はぁ……MPを1消費して後列左側に《デーモンシャドウ》を召喚」
《デーモンシャドウ》0/1《隠れ身》
「ターンエンドと同時に効果発動。
《デーモンシャドウ》2体の攻撃力+1し、と《潜伏シーフ》により6ダメージを与える!」
「くぅっ!?」
《デーモンシャドウ》2/1→3/1
《デーモンシャドウ》0/1→1/1
《賭操 闘夜》HP24→18
現状向こうの盤面には先程の即死によりユニットは存在しておらず、《潜伏シーフ》の攻撃先は全て賭操へと向かっていった
「調子に乗るなよ……!私のターン!
コストとしてMPを7消費し前列中央に《侵食:世界樹の化身・ユグドラシルナイト》を召喚する!」
『ーーーーー!!!』
「やっぱりユニークレアが1枚だけなわけ無かったか!」
《侵食:世界樹の化身・ユグドラシルナイト》2/12《挑発》《侵食》
前列中央から現れたのはまるで巨大な大樹がそのまま騎士の姿になったかのような巨大な樹木の騎士だった
だがその全身には黒い亀裂が入っており、葉っぱは紫色となってかなりの数が枯れている
「《侵食:世界樹の化身・ユグドラシルナイト》の召喚時効果発動!
俺のHPを7回復する、さらにこのユニットは前列にしか召喚出来ない代わりにこのユニットが存在する限りユグドラシルナイト以外へのダメージは入らない!」
《賭操 闘夜》HP18→25《被ダメージ無効》
職業アビリティは全てに対して《隠れ身》がメタになっており、完全に腐らせている為にそこまで警戒する必要はないがかなり面倒なタイプのユニットだ
だが今は放置しても問題無さそうだ
「ターンエンドと同時に《侵食》発動!
このユニットを安々と突破出来ると思うなよ!」
『ーーーーー!!!』
《侵食:世界樹の化身・ユグドラシルナイト》2/12→3/11《挑発》《侵食》
「元々まともに相手するつもりもないから問題ない!
コストとしてMPを6消費し前列中央に《いたずらの化身・ランタン王ジャック》を召喚!」
『キッヒヒヒヒヒヒヒヒ!』
《いたずらの化身・ランタン王ジャック》3/3《隠れ身》
「このユニットが存在する間敵味方含めた全てのユニット以外のカードの必要MPを+1する!」
『いたずらマジックだ!』
お互いの手札に雷が落ちる。
その後、俺の手札のアクションカード全てのコストが+1され、数字が赤く染まっていた
「残りのMPをアビリティポイントに変換してターンエンド。
ターンエンドと同時に能力を発動。
《デーモンシャドウ》の攻撃力を更に+1し、自身を除いた隠れ身状態の味方ユニットが4体いる
『『そらよっ!』』
『ーーー!?』
《デーモンシャドウ》3/1→4/1
《デーモンシャドウ》1/1→2/1
《賭操 闘夜》HP25→25《被ダメージ無効》
《世界樹の化身・ユグドラシルナイト》3/11→6
「ユグドラシルナイトの能力発動!
このユニットはダメージを受ける度に味方全体を1回復する!」
《賭操 闘夜》HP25→30《被ダメージ無効》
《世界樹の化身・ユグドラシルナイト》3/6→3/11
また《潜伏シーフ》の能力が仇になったか。
このユニットのダメージはあくまでも1ダメージを指定回数与えるだからこの手の能力は重複した状態で発動してしまう
とはいえここまでこちらの《隠れ身》ユニットを処理してこないとなるとやはり隠れ身相手への対策は怠っていたらしい
『決闘者』自体がユニットとの戦闘を重視しているとはいえある程度全体ダメージやランダムダメージ系の能力やアクションカードは必須だろうに……
「私のターン!コストとしてMPを5消費してアクションカード《アビスブースト》を使用する!
《世界樹の化身・ユグドラシルナイト》を選択し《侵食》を4進行させる!」
『ーーーーー!!!』
《世界樹の化身・ユグドラシルナイト》3/11→7/7
一気に能力を上げてきたか!
『ケケケッ!オシオキだぁ!』
『ーーっ!?』
《世界樹の化身・ユグドラシルナイト》7/7→7/5→7/6
「《いたずらの化身・ランタン王ジャック》は相手プレイヤーがカードを使う度にランダムな敵に2ダメージを与える能力を持つ、使うカードは十分考えることだな」
「舐めるなよ……!」
とはいえあの能力のユグドラシルナイトはちょっと放置できないな
少し勿体ないがアレを使って畳み掛けるか……