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第11話 OTKデッキ


「俺のターン、コストを3支払いアクションカード《トラップドロー》を使用する。

今この場にある罠の枚数分カードをドローし、自分のフィールドに罠カードを設置する」


現在フィールドにある罠は相手に3つ、こちらに一つの為合計4枚のドローとなる


更に俺は全く同じ条件の罠を後列右側に設置し、手札を見る


フィクスシャッフルのお陰で手元のカードには理想的とも言えるカードか揃っている。

俺はこの調子で先程ドローしたカードを使用する


「アクションカード《トラップコピー》を使用し俺の前列中央とそっちの前列左側に罠カードをコピーする。」


これで相手側に4つ、こっちに3つで全て発動すれば全体7ダメージとなる罠となる


正直この時点でも全てを起動すれば十分な威力だがまだ足りない


「《マインスネーク》で《気合いの門下生》を攻撃」

『シャァァァアアア!!!』

『ぬぐぉぉぉぉぉおおおお!?!?』


《マインスネーク》3/6→3/5《挑発》


《気合いの門下生》1/2→死亡


「《盗賊トラッパー》で《気合いのボクサー》に攻撃してターンエンド」

『ガフッ!?』

『フッ……何!?むわぁぁぁぁぁぁぁあああああ!?!?』


《盗賊トラッパー》1/1→死亡


《気合いのボクサー》→3/1→死亡


盗賊トラッパーが簡単にボクサーに殴られて消滅するが置き土産として投げられた爆弾に巻き込まれて消滅する


それにしてもほんとに煩いな……


「オレのターン、コストとして6支払い後列左側に《気合いの格闘王》を召喚する!」

『ォォォォォオオオオオオオ!!!』


《気合いの格闘王》5/7


今度は腰にチャンピオンベルトのような物を着けた半裸の格闘家が現れるやけに半裸率が高くないか?


「《気合いの格闘王》の召喚時効果発動!

デッキからコスト3のランダムな《気合いの》の名前の付いたユニットを2体召喚する!」

『『オオオオオオオオオオ!!!!』』

「ターンエンドだ!」


《気合いの格闘王》の咆哮に呼応するように対応するマスの下から魔法陣が現れ、そこから半裸の傷だらけの男と武闘家が現れる


前列右側気合いの狂戦士4/2

前列中央気合いの武道家3/3


一気にデカいのが来たな……


「俺のターン、《マインスネーク》で《気合いの格闘王》を攻撃。」

『ウォォォルァァァァアアア!!!』

『シャァァァアアア!?!?』


《マインスネーク》3/5→死亡

《気合いの格闘王》5/7→5/4


「《マインスネーク》の死亡時効果発動、自分の居るマスと相手の空いているマスに隣接している罠が発動時プレイヤー含む全体に1ダメージを与える罠を設置する」


コレにより相手の後列左側とこちらの後列中央に罠が設置され、これで全体ダメージ系の罠が相手に5つ、こちらに4つの状態になったこれで準備は整った


「俺は《マインスネーク》をもう1体前列中央に、そして《盗賊スカウト》を1コストで後列左側に召喚してターンエンド」

『シャァァァアアア!!!』

『ヘヘッ』


《マインスネーク》3/6

《盗賊スカウト》1/1《隠れ身》


俺は準備が整ったのでこの罠の起動役となるユニットとして生存能力の高い《隠れ身》持ちのユニットを出しておく


ユニットであれば何でも良いんだが1ターンの間生存出来なければ攻撃することが出来ないため俺の好きなタイミングでの起爆が出来ない


「どうしたどうした?そんだけかよおい!

その程度で俺に喧嘩を売ってくるなんて身の程知らずにも程があるんじゃねぇのか?」


そもそも喧嘩を売ってきたのはそっちだろうが次のターンの暴露が楽しみな為俺はあえて何も返さず調子に乗らせておく


「何も言い返せねぇのかよ情ねぇ。

まぁいい、コストを4支払って《気合いの槍術士》を召喚だ!」

『セイヤァァァアアアア!!!』


今度は半裸に胸部分や肘、膝等を覆うライトアーマーに包まれた槍術士が槍を振り回しながら召喚される


《気合いの槍術士》4/2《先制攻撃》


「更に残りのMP全てを支払ってアクションカード《気合いの咆哮》を発動だ!

名前に《気合いの》の入ったユニット全ての攻撃力をこのターンの間だけ+1する!」

『『『『ォォォォォオオオオオ!!!!!』』』』


うるさっ!?全員の声がハモって元々煩いのがもっと煩い!?


《気合いの格闘王》5/4→6/4

《気合いの狂戦士》4/2→5/2

《気合いの武道家》3/3→4/3

《気合いの槍術士》4/2→5/2


「《気合いの格闘王》で《マインスネーク》に攻撃!」

『ウオラァァァァァ!!!!』

『シャァァァアアア!?!?』


《気合いの格闘王》6/4→6/1


《マインスネーク》3/6→死亡


[マインスネーク]の死亡時効果が発揮されるがお互いの位置には既に罠がある為、それが上書きされる。

だが全ての罠は効果が同じな為に意味はない


「続いて《気合いの狂戦士》と《気合いの武闘家》、更に《先制攻撃》持ちである《気合いの槍術士》でダイレクトアタックだ!」


『『『セイヤァァァァァアアアアア!!!』』』

「ぐぅ!?ぁぁぁぁあああ!?!?」


《浅麦 誠》HP20→15→11→6


攻撃力がかなり高い攻撃が続けてきたのもあって凄まじい衝撃が俺を襲う。


「ターンエンドだ。

おらさっさと降参しちまえよ?」


頃合いだな


正直武術カードでまた後衛として《マインスネーク》が移動させられるのが最大の負け筋ではあったがもうここまでくれば俺の勝ちだ


「クククククク……あーっはっはっはっはっは!」


俺はターバンを外して髪を上げてオールバックにする


そこそこ相性は悪い方だったから若干の不安はあったがこの罠に対して何にも警戒してくれてなくて助かったよほんと


「あぁ?なんだよ!?何がおかしい!?」

「そりゃおかしいに決まってんだろ?

お前はやるまでもないと思って職業アビリティをさっき使わなかったんだろうがそれの結果次第でこっちは下手したら負けてたってのに……それが原因でお前は負けることになったんだから」

「何が言いてぇ?」

「決まってるだろ?リーサルターンだ!」

「何!?ありえねぇ!?」


あぁ……やっぱり勝てると確信している奴に一気に逆転するこの状況……これだからOTKのような着々と準備を進めていくタイプのデッキはやめられない


俺は手札にあるこのデッキ唯一のユニークレアカードを取り出す


「まずは召喚アビリティ《罠作成》でこっちの後列左側に罠を設置する」


今回は起動用の罠の為発動条件を消滅時では無く死亡時にする


「俺はコストとしてMPを8全て支払い《トラップマスター・ダイナー》を前列中央に召喚する!」

『ヒャッハハハハハハ!!!』


《トラップマスター・ダイナー》2/10


俺の場から全身にトラバサミやクロスボウ、槍や爆薬など罠に使うような物を大量に装備した狂人のような学校の男が現れる


さぁ次々効果を発動していくぞ


「《トラップマスター・ダイナー》の効果発動!

『トラップ・チェイン』だ!」

『そらそらそらぁ!』


ダイナーが大量の鎖を取り出して全ての罠のマスに括り付けていく


「『トラップ・チェイン』状態の罠は一つでも発動すれば全ての罠が同時起動する!」

「それがどうした!罠は10個でせいぜい俺に来ても1ダメージとかだろ!?」

「[トラップマスター・ダイナー]の効果はこれだけじゃない!

このユニットが場にいる限り全ての味方は相手のプレイヤーに攻撃することが出来ない変わりにあらゆる罠カードのダメージを+2し、味方への罠効果によるダメージや悪影響を無効化する!」

「はぁ!?ま、まさか!?」


こいつも気付いたらしいな、今この罠のダメージがいくつになっているのかを


「《盗賊スカウト》で《気合いの武闘家》を攻撃!」

『オルァァァア!!』

『ぐぁぁぁあ!?!?』


[気合いの武闘家]4/3→4/2

[盗賊スカウト]1/1→死亡


さぁトドメだ!


「《盗賊スカウト》が死亡した事で先程設置した罠が発動!

敵味方プレイヤー含めた全てに対して1+2ダメージを与える!」

「ま、まさか……やめろ!?」

「更に『トラップ・チェイン』状態の全ての罠も同時起動!

効果は……同じく全体1+2ダメージが9個だ!」

「ふ、ふざけるな!?こ、こんな勝ち方して楽しいかよオイ!

こんなの認めねぇ!認めねぇぞ!」

「そんなの……最高に楽しいに決まってんじゃねぇか?

トドメだ!」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?!?!?」

『『『『ぬぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!?!?!?』』』』


《気合いの格闘王》6/1→死亡

《気合いの狂戦士》5/2→死亡

《気合いの武闘家》4/2→死亡

《気合いの槍術士》5/2→死亡


《煩井 タケル》HP29→26→23→20→17→14→11→8→5→2→0


やっぱり一気に削り切るのは最高に気持ちいいな



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