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第10話 実技授業と罠デッキ

TCG学園の卑怯者 第10話プロット


フィールドで少し待っていると先生からのアナウンスがコロッセオ中に響く


『全員準備は出来たな?それでは第一試合始め!』


「「デュエル!!」」


俺達はお互いに試合開始の合図となる言葉を叫び、中央に天秤を出現させる


傾いたのは……俺側、つまり俺が先攻のようだ


俺は手元に浮遊しながら来たデッキを『フィクスシャッフル』によって理想となる配置になるように混ぜてから目の前にある台に設置する


設置後にデッキの上から5枚が浮かび上がり、俺の目の前に来る


カードをみる限りシャッフルは問題なさそうだ


「俺のターン、アビリティポイントにMPを捧げてターンエンド」


今回のデッキは入試で使っていた物とは打って変わって序盤からガンガンユニットを出せるタイプのデッキでは無い


中盤から終盤にかけて出来るだけ身を守りつつギミックを仕込み、準備が整った所で仕込んだギミックを一度に起爆してOTKを狙うタイプのデッキの為どこまで時間を稼げるかが重要になってくる


「オレのターン!コスト1を支払い前列中央に《気合いの門下生》を召喚してターンエンド!」

『オオッス!』


《気合いの門下生》1/2


相手の召喚により前列中央に上半身裸の胴着姿の暑苦しい男が出てくる


気合い……確かこの名前のついたユニットはそこそこ多かった気がする。

念の為警戒しておこう


「俺のターン、コスト2を支払って前列右側に《ボムスライム》を召喚してエンドだ」


《ボムスライム》3/2


このカードは2コストで攻撃力3のHP2という能力をしているが死亡時に敵味方関係なく全てのユニットに1ダメージを与えるという能力を持っている、この全てのユニットにというのが地味に厄介で味方にもダメージが入るのもあり嫌煙されがちだが使い方次第では俺は化けると思っている


「面倒なカードを……!

オレのターン!コストを2支払いアクションカード《武術の鍛錬》を使用する!」


相手のアクションカードの発動により、デッキ外から手札が2枚増えていく。

確かあのカードの効果は複数枚用意されているあるアビリティカードのうちから2枚をランダムに手に入れるだったか


選ばれるカードもコストが全体的に低く、指定した相手に1ダメージや配置場所の入れ替え、ドロー加速等の効果を持ったカードがあったはずだ


「《気合いの門下生》でプレイヤーにダイレクトアタック!」

『オルァァァァァアアア!!!』

「うるさ……ッ」

「ターンエンドだ」


《浅麦 誠》HP30→29


あんな叫びながら来られたら流石にうるさい……というか確かこの気合いシリーズってどれも皆うるさかった気がする


このデッキって確か速攻型でユニットを低いコストで多数展開して一気にバフをして殴るタイプだったか?


強いには強いけど基本煩いせいでそう言うのを気にしない奴くらいしか使ってなかった気がするが


「俺のターン、コストを3支払い後列右側に《盗賊トラッパー》を召喚する」


《盗賊トラッパー》1/4


カードを召喚すると目の前に盗賊のような風貌にハンマー等の工具を持った人間が現れ、俺の前にいくつかの選択肢を出す


俺はその選択肢の中から『発動条件:ユニットの消滅』、『効果:プレイヤー含む全体1ダメージ』を選択する


「《盗賊トラッパー》の召喚時効果を発動、相手の前列右側に選択した効果の罠を設置する」


相手の前列右側の枠の床部分に?マークの書かれた床が現れる


罠の効果は事前に設定した発動条件を相手側が満たした際に発動する効果であり、発動効果もある程度こちらが選ぶことが出来る


ただしユニットによって選べる効果はある程度違いがあり、コンセプトがある程度バレてくると確実に避けられる為盗賊型の効果の中でもこの効果はトップクラスて不人気だ


しかも俺が選択した条件であるユニットの消滅とは死亡等とは違い完全なゲームからの除外の事を指しており、この効果を持つカードはかなり数が限られており、俺のデッキにはその効果を持ったカードは存在していない。

つまりは本来発動出来ない条件なのだが俺はわざとこの発動条件で設定していた


「罠?テメェ舐めてんのか!?」

「舐めてるのかどうかは実際に戦ってみればわかる」

「チッ!」

「《ボムスライム》で《気合いの門下生》を攻撃してターンエンド」

『むぐぐぐぐぐーーーーッ!?!?』


《ボムスライム》3/2→3/1

《気合いの門下生》1/2→死亡


《気合いの門下生》はドロドロとした肉体を持った《ボムスライム》に飲み込まれてそのまま消化されるように消えていく


「オレのターンだ!

コストを1支払ってアクションカード《武術∶神速拳》を使って《ボムスライム》に1ダメージを与える!」

『ーーーー!?!?』

『あっづ!?』


《ボムスライム》3/1→死亡


死亡時効果発動


《盗賊トラッパー》1/4→1/3


召喚前に《ボムスライム》を仕留める事でコイツの自爆をこっちにのみ被害が行くようにしているな


まぁ単純に攻撃力もそこそこあるから放置するわけもないか


《ボムスライム》が相手側から飛んできた拳状のエネルギーを受けて大爆発を起こし、《盗賊トラッパー》にダメージが入る


「続いてコストを2支払い前列中央に《気合いの戦士》を召喚してターンエンドだ!」

『シャオラァァァ!!!!』


[気合いの戦士]2/3


また今度は上半身半裸にプロテクターを着けた大剣の戦士が現れる


まだHPには余裕があるしある程度はスルーしても良いんだが一応ユニットは出しておくか


「俺のターン、前列左側に《ボムスライム》を召喚。

残りのMPをコストにアクションカード《トラップコピー》を使用する」

「チッ!まだあんのかよ。」


まぁ死亡時に全体ダメージだからアグロ寄りのアイツだと面倒くさいことこの上ないわけか


更に《トラップコピー》の効果で相手側の前列右側に設置された罠が前列中央に増殖して設置され、自陣側の前列右側にも設置される


こいつもデメリットカードの一つであり、自分側にも同じ罠を設置する変わりにあらゆる罠をコピーしてもう一つ設置することができる


コレだけだとあまりメリットは感じないだろうがこれは罠の効果が強力であればあるほど脅威となり、その発動条件の設定さえしっかりと覚えていればこっちは問題なく動けるのもあって正直俺はこれのコストが2なのはやり過ぎだと思っているくらいだ


「《盗賊トラッパー》でプレイヤーにダイレクトアタックしてターンエンド。」

『ほらよ!』

「ぐっ!?」


《煩井 タケル》

HP30→29


《盗賊トラッパー》の放った爆弾が爆発して相手が軽く怯む、痛みは無いが見た目のインパクトと衝撃があるので俺も思わず仰け反るんだよなぁ


「オレのターン!コストを3支払って前列左側に《気合いのボクサー》を召喚!更に余ったMPで前列右側に《気合いの門下生》を召喚!」


《気合いのボクサー》3/1《先制攻撃》

《気合いの門下生》1/2

《気合いの戦士》2/3


「《気合いのボクサー》の能力先制攻撃発動!

こいつは召喚されたターンから攻撃出来る!

総攻撃だ!門下生、戦士、ボクサーでダイレクトアタック!」

『『『オラオラオラァァァァアアアア!!!』』』

「ぐぅ!?」


《浅麦 誠》HP29→23


「俺のターン、《盗賊トラッパー》で《気合いの門下生》を攻撃。」

『ぐぅ!』

『オラァ!?』


《盗賊トラッパー》1/3→1/2

《気合いの門下生》1/2→1/1


これでHP1が2体になった、コレなら一度に殲滅可能だ


「《ボムスライム》で《気合いの戦士》を攻撃。

《ボムスライム》の死亡時効果発動!全体へ1ダメージだ!」

「コレだから自爆系は!」


『ーーー!?!?』

『け、剣を離せ!?ぬわぁぁぁぁぁぁあああ!?!?』

『『ぬぉぉぉぉぉぉぉおおおお!?!?』』

『痛ぇっ!?』


《気合いの戦士》が《ボムスライム》への反撃で大剣を突き立てるが液状の体が剣をしっかりと掴み自爆してしまい巻き込まれる。

更にその爆発は離れていた《気合いのボクサー》と《気合いの門下生》、《盗賊トラッパー》をも吹き飛ばし、《盗賊トラッパー》以外は消滅していった


《ボムスライム》3/2→死亡

《気合いの戦士》2/3→死亡


『死亡時効果発動』


《気合いのボクサー》3/1→死亡

《気合いの門下生》1/1→死亡


《盗賊トラッパー》1/2→1/1


やはりこの手の全体攻撃効果のある自爆はかなり苦手なようだ

とはいえ苦手な分野にこそ対策は必要だと思うんだがな


だがお陰でMPを全て残した状態で殲滅が出来た


「コストを5支払い《マインスネーク》を前列中央に召喚する」

『シャァァァァアアア!!!』


俺は全てのMPを使い、このデッキの中でも特に厄介なカードを出した


《マインスネーク》3/6《挑発》


地雷が繋がって出来た蛇のようなユニットが出撃し、[マインスネーク]のいるマスに砦のような塀が現れる


「《挑発》持ちかよ!」


マインスネークの持っている《挑発》という効果はこの効果を持ったユニットが前列にいる限りこの効果持ち以外のユニットやプレイヤーへのダイレクトアタックが出来ないという効果だ。


全体的に低いコストのユニットが多い武闘家だとやりにくいだろうが結構簡単にこの効果を排除する方法はあるためあまり油断は出来ない


「更にアビリティポイントを12支払い職業アビリティ《罠作成》を使用する」


俺の前にまた先程と同じような選択肢5つ現れる。

これは2つまで作成することが出来るが一つだけ選択して作成した場合ノーコストでそのまま設置することが出来る。

俺はその中から先程と全く同じ効果を選択して即座に設置する事にした。


「作成した罠を後列右側に設置してターンエンド」

「オレのターン前列右側側に《気合いの門下生》と後列右側に《気合いのボクサー》を召喚する。

アビリティポイントを11支払って職業アビリティ『鍛錬』を使用する」


《気合いの門下生》1/2

《気合いのボクサー》3/1《先制攻撃》


相手の職業アビリティが発動し、デッキからカードが2枚とデッキ外からもカードが1枚増える


ドロー加速系の効果として見ればかなり強力だ


更に《気合いのボクサー》が《気合いの門下生》の後ろに配置された事で先に門下生をどうにかしないとボクサーに攻撃が出来ない状態になっている


「MPの残りを使ってアクションカード《武術:足払い》を使用だ!

《マインスネーク》を後列に移動させる!」


やっぱり持ってたか……これじゃ挑発が意味ないが単純な能力だけで見てもそれなりに強いユニットではある為そこまでは問題では無い


「《気合いのボクサー》でダイレクトアタック!」

『ホアタタタタタタタ!!』

「ぐあっ!?」


その声は色々と違くないか!?


《浅麦 誠》HP23→20


「ターンエンドだ」


《マインスネーク》を後列に持ってかれたのは痛いがまだ余裕はあるし準備は着々と進んでいる


今から楽しみだ……引っかかってくれた時の顔がな


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