「そんなことではわが社は業界から取り残されますよ!」
役員会議は
「今こそ古い慣習を捨て去り、若い世代に経営を任せるべきではありませんか」
若手の役員が肩を怒いからせて力説している。今にも背広から煙が吹き出しそうな勢いだ。
「まあ、落ち着きたまえよ」専務がたしなめる。「確かにこれからは近代化に向けて、わが社も変革していかなければならないのは認めよう。問題は、まず手始めになにから手をつけていくかだ」
「それならわたしに考えがあります」と総務部長が手をあげた。「無駄な経費を削減するにあたり、まずはペーパーレスを目指すべきかと」
「なるほど。ペーパーレスか」常務が手を打った。「そう言えば最近は本や漫画なんかも、端末で読む時代になってきているそうじゃないか」
「よろしい。それではまずそれから始めよう」と社長が言った。
「では本日の結論は“社内のペーパーレス化を推進する”・・・・・・ということでよろしいですね」
議長が全員に挙手をとった。「本件は満場一致で可決されました」
「よろしい」
社長たち役員が全員席を立った。「それじゃあ後で、議事録を紙で回してくれ」