月曜日、組織の本部に郵便物が届いた。
「隊長、
「うむ。中身は何だ?」
「それが、タバコひと箱であります」
「タバコがか。何の意味だ」
「わかりません」
「なにか意味があるはずだ。しっかり考えろ!」
ここは国家の諜報活動組織である。
一週間前から、隊員の園田
しかし、これはなんだろう。
「タバコ、タバコ・・・・・・シガレット・・・・・・もしかすると」
「なんだ!」
隊長が色めき立つ。
「滋賀列島に爆弾を落とされる危険があるとか・・・・・・」
「そんな列島はない」
「・・・・・・ですよね。しかし、敵国は“人工地震兵器”を開発したはずです。必ず近いうちに使ってくると思われます」
「うむ、それがいつなのか。園田め!タバコだけじゃわからんぞ!」
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そうこうしているうちに、木曜日に大地震が発生した。市街地は完全に崩壊、交通機関も通信機能も麻痺状態となった。
そこへ園田が
「隊長、お役にたてましたかね。ぼくのメッセージ」
「なんだと、さっぱりわからなかったぞ。あれは何だ」
隊長は渋い顔をしている。
「え、せっかく事前にメッセージを送っておいたのに」
園田はあきれ顔である。
「あのタバコのことですか」と伍長が訊く。
「そう、ちゃんと“水(曜日)過ぎに注意しましょう”て書いてあったろうに」
隊長のカミナリが落ちた。
「わかるか!」