賢一たちは、ギャングと生存者による銃撃戦に遭遇してしまい、これから敵を倒すべく戦略を練る。
「俺、モイラ、ジャン…………この三人で、左側の連中を倒す」
「それなら、ダニエルとエリーゼ達は、援護射撃を頼むわっ! メイスーは、二人と一緒に行動して」
「分かりました…………撃ち合いは、私には無理ですから」
「まあ、撃ち合いは任せて、私はイラクやアフガンの取材で経験が済んでるから」
賢一とモイラ達は、直接ギャング達に白兵戦を仕掛けて倒すべく、密かに動きだす。
エリーゼとメイスー達も、右側の茂みに潜み、敵に奇襲するべく、待機する。
「んじゃま、それなら行くぜっ! 俺が、トカレフを撃ちまくるっ! オラ、オラ、オラッ!」
「私は近くの繁みから狙うわ」
「こっちは、密かに動くからな…………背後から奇襲を仕掛けてやる」
「民間人を襲う外道は、救う価値がないからな」
「それじゃあ~~私も行くわよ、いざとなったら、撃つからね」
ダニエルのトカレフから、何度も射撃が始まると、エリーゼも銃を構える。
彼女は、スカンジウムを構えて、正確な射撃により、敵を動きにくくする。
賢一は、二人による援護の元、右側にある茂みに隠れながら進んでいく。
タガネを強く握り締める、ジャンも足早に敵の側面に回り込み、密かに隙を伺う。
モイラは、二人よりも離れた位置から、コルト45を握り締めたまま地面に伏せる。
「うわっ! 向こうから撃ってきたぞっ!」
「この野郎っ! 死にやがれっ!」
「撃て、撃てっ!!」
白人ギャングが、トカレフを、ダニエル達に撃ちまくり、ピックアップの荷台に身を隠す。
黒人ギャングは、銀色のリボルバー拳銃を発砲すると、ボンネットに頭を下げる。
太平洋系ギャングは、マグナムリボルバーを、一回だけ撃つと、路上に伏せる。
そんな中、東南アジア系ギャングが、火炎瓶を投げようと勢いよく手を振った。
「不味いっ! 燃え広がるっ!」
「逃げなきゃっ!」
「店内に退避するのよ」
「うわああああ」
白人生存者は、M1ガーランドを抱えながら、繁みや街路樹から飛び出す。
アジア人女性は、M1カービンを持ち、急いで、スーパーへと逃げ込む。
適当に、コルト45を乱射しながら、アラブ系の女性は、段々と後ろに下がっていく。
逃げるのが遅れた黒人男性は、転んでしまい、炎に隠れて、歩道で伏せたままになった。
「あっちにも、投げてやるぜぇぇ~~~~!」
「撃ちまくれば、勝てるぜっ!」
「それは、こっちの台詞だっ! オラよっ!」
「狙いは正確に…………」
二度目の火炎瓶を投げようと、ピックアップに身を隠しながら、東南アジア系ギャングは動いた。
同じく、太平洋系ギャングは、マグナムリボルバーを、何発も店に向かって撃ちまくる。
ダニエルが撃った弾丸は、ピックアップの窓ガラスに当たり、貫通して風穴を開ける。
エリーゼも、両手で握るスカンジウムの照準に、気を集中させて、狙撃を行った。
「ぐあっ! うぎゃああああっ!?」
「ごあっ!!」
「仲間が撃たれたっ!」
「この野郎っ!」
東南アジア系ギャングは、窓ガラスを、二枚も貫通した、トカレフ弾に当たって倒れる。
しかも、撃たれた瞬間に火炎瓶を落としてしまい、自身が炎上してしまう。
その次に、太平洋系ギャングは、左肩を撃ち抜かれて、ピックアップに隠れる。
幸い、まだ生きてはいるが、マグナムを片手で撃つしか出来なくなってしまった。
白人ギャングが、ダニエル達をトカレフで撃ちまくり、射撃しないように圧力をかける。
黒人ギャングは、銀色のリボルバー拳銃を発砲しまくり、同様に彼等が攻撃できないようにする。
「モイラ? 俺たちは背後に回り込む、奴らに白兵戦を挑むが、もちろん狙いは、こちらに注意を惹きつける事だ? ジャン、できるな?」
「…………ああ、民間人を襲う奴は、倒さなきゃダメだっ!」
「賢一、ジャン、分かったよっ! ただ、撃たれるんじゃないよ」
賢一は、繁みに隠れながら、真剣な表情で、ジャンとモイラ達に作戦を伝える。
二人も、彼の言葉を聞いて、緊張した面持ちになっるが、戦う決心を固めた。
「今だっ! 喰らえっ! 自衛隊格闘術だっ!」
「このっ! 民間人を気づつける犯罪者は赦さない」
「うわっ! 向こうからも、来やがった」
「うっ! な、な?」
「クソがっ! これでも、喰らえっ!」
背後に回り込んで、賢一は、白人ギャングの元へと、勢いよく突進していく。
黒人ギャングは、ジャンが投げた、タガネが回転しながら飛んでいき、鼻に当たって怯んでしまう。
走ってくる二人を見て、太平洋系ギャングは、慌てて、銀色のマグナムを片手で撃ちまくる。
もちろん、焦りながら放った弾丸が当たるはずもなく、大口径弾は予期せぬ方向に飛んでいく。
「うわっ!? しかし、これくらいは予想してるっ! 大和魂を見せてやるっ!」
「ぐっ! 不味いっ! 調子に乗りすぎたかっ!」
「喧しいっ! 死にやがれっ! うぎゃっ!」
「ぐわああ」
「撃ちまく…………弾切れっ!?」
「アホが、私が居るんだよっ!」
突進を続ける賢一を、狙っていた白人ギャングは、右側から銃撃を受けて、力なく倒れ込む。
ジャンは、冷静に銃弾を回避しようと、路上に身を伏せると、黒人ギャングも撃たれて死んだ。
太平洋系ギャングは、銀色のマグナムから弾丸を発射できなくなり、モイラに胸部を狙撃された。
こうして、ギャング全員が、撃ち殺された事により、戦闘は無事終了した。
「アンタ等は、無事かっ? 俺たちは、ギャングじゃないっ! 同じ生存者だ」
「救出に来たんだ? 撃たないでくれ」
「本当か? だったら、それを証明してみせろ?」
「本当らしいわ? 白人の女性観光客と、黒人女性の軍人よっ! それに、地元民の女性も居るわ? 本物の救出部隊よっ!」
賢一は、両手を上げながら、ピックアップの荷台側から、生存者たちに向かって歩いていく。
同じく、ジャンも敵意はないと言いながら、燃える街路樹に近づいていった。
すると、向こうからは、黒人生存者が、レミントン870散弾銃を構えながら歩いてきた。
こちらに、コルト45を向けながら、アラブ系の女性は、段々と近づいてくる。
二人とも、最初は険しい顔で、額から汗を滲ませていたが、モイラの姿を見てから銃口を下げた。
「救出部隊か? 間違ってはないが、みんなを救出する事までは、できないな…………俺たちも、今は避難民の一団だからな」
「だが、彼等を助ける事だけは出来たっ! ふぅ~~良かった」
「いや、救出に来たのは本当だけど、私達は軍の部隊じゃないわよ? 今、安全なのは刑務所か? ビーチ方面さ? 貴方たちは、これから、どうする?」
賢一が言うように、民間人を救出する目的で来たのではなく、また彼等を助けられる余裕はない。
しかし、ジャンは生存者を、ギャングの襲撃から救った安心感で、安堵しながら溜め息を吐いた。
モイラは、自分たちが正式な救援部隊ではないと、申し訳なさそうに、生存者たちに説明する。
それを聞いて、黒人生存者とアラブ系女性たちは、顔が下を向いてしまい、落胆する。
「刑務所とビーチ…………ここに残った方が、安全かも知れない?」
「でも、ギャングが…………刑務所に行きましょう? ここからなら近いわ、車もあるし?」
「ああ、済まないが? 俺たちは先に行かせて貰うぞ? 本物の軍部隊が、困っているらしいからな? アンタ等の護衛は?」
「まだまだ、救助を必要とする人々が存在するからな? しかし、君たちは、どうするんだ? 彼が言うように、我々が動向してもいいんだが?」
黒人生存者は、背後にあるスーパーを見たが、すでに街路樹や繁みは、焼きつくされていた。
アラブ系女性の生存者も、それを眺めると、はやく安全な場所に行きたがり、彼に移動を促した。
二人は、スーパーの左側に駐車してある、白い軽トラに目を向けた。
賢一は、彼等を前に、刑務所とビーチのどちらを選択して、護衛が必要かと尋ねた。
同じように、ジャンも困り果てる、二人を前にちして、人助けを申し出た。