「隊長。この星はいくつもの国に分かれているようです」
「そうか。それでは手始めに、海に囲まれたあのちっぽけな島国でも侵略するとしようか」
「グヘヘヘへ」
UFOの大群が日本に向けて急旋回して行く。
「たいへんです隊長!この星の先住民が、一斉に黒い大砲と思われる砲口を、わが軍に向け始めています」
「何!」
エイリアンの隊長がモニターを食い入るように見つめた。
「なんだあの異様な大砲の数は・・・・・・全軍回避だ。退却せよ!」
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『今年は※※※の方角です』
テレビからアナウンサーの声が流れる。
「はーい!」
日本全国の家族が、大きく口を開け“恵方巻”を一斉に空に向けたのであった。