よく周りから言われることは、二人は結婚したが子供はいらないのかと。結婚する前にも話はしたが特に何も考えておらず、結婚後も周りから聞かれるため改めて考えることにした。
湊音は自分よりも李仁の遺伝子を残したいとは思っているようだ。元妻との間に一人子供がいるから自分の遺伝子は残した、つもりでもある。しかしその李仁は違った。
「……私の遺伝子は残したくないわ。ゲイだからって、親に出来損ないって言われたんだから」
「そんなことないよ。顔もスタイルも良いし、頭もいいし、外国語だってたくさん話せるし歌だって上手いし楽器も……」
李仁は首を横に振る。
「もし私の子供ができても私みたいのが出てきたらどうするの? 可能性だってなくはない」
「気にしないよ。もしそうだとしても、その子のことを守ってあげるよ」
「……そう簡単に言わないで! 同じ思いをさせたくないのよ。平坦な道のりじゃなかったの、私だって!」
李仁が声を荒げたが我に返って小さくごめん。と言って俯いた。湊音もごめんと言い返して二人の間に沈黙が流れた。
「ごめんなさいね、ミナ君」
「僕の方こそごめん」
寝室に二人はベッドの上で横たわる。
「子供は……そう簡単に育てられるものじゃないよな。高校教師を長年やっても、子供の心が読めない」
「私も、部下の教育してるけどもう大人だっていうのに育てるの大変だったし。嫌になっちゃう……」
「その時点でくたばってたら子育て無理だな」
と二人は笑う。そして湊音のおでこにキスをし、抱きしめる李仁。
「今は二人で過ごしたいわ」
「そうだな」
キスをたくさん交わす。湊音は李仁を押し倒した。
「あらぁ、珍しい。今日は湊音くん、上ですかぁ」
「うるさい」
と、照れている湊音は李仁の口をキスで塞いだ。
「ミナ君、もう私たちの間では……子供の話は無しにしよう」
湊音は頷いて抱きついた。
今までうやむやにしていたが、ようやく話し合えたことでより一層お互いの絆が深まったようである。
今夜は湊音から李仁の中に入っていく。2人はどちらでもいける。主に李仁が受けなのだが、湊音が今は受け。その時は李仁はオスになる。そんなかっこいい姿も湊音は好きなのだ。
オスの時は李仁のお姉言葉は封印。だがセクシーさは変わらず、フェロモンたっぷりである。が、容赦はなし。激しめの行為で最初は湊音もタジタジだったがそれを今では湊音はたくさん求めるのだ。
李仁が受けの時はこれまたオスでなくて完全にメスである。声色も変わり、湊音はそれに興奮する。湊音の絶倫ぷりは健在であり、朝まで続く時もあるのだ。
2人の組み合わせを何度も変えては変えて楽しむ、それが2人の関係。
本当に不思議な関係である。