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第27話 ぼくのもの、わたしのもの



 二人が結ばれてから1ヶ月後。湊音は完全に李仁に夢中である。


 いまだに外で出歩く際は周りの目を気にする湊音だが、二人でいる時はベタベタの甘々になる。



しかし李仁がまだ元彼のカイとまだ関係を持っていたのは事実であるが、あくまでも身体だけの関係だけでカイにはもう相手がいる。


 湊音は数回か李仁と一緒にカイのマンションのことで話し合うために会ってはいるが、李仁のいないところで昨日李仁と会った、抱いたなど聞かされていた。


「もうカイとは会うなよ。しかも会っても車の中とか外でやるんだろ? そんなの大切にしてる人がやるようなことじゃないよ」

「……」

 李仁はまだ口を閉ざす。

『前の妻にはこんなに優しくしなかったくせになんか愛おしく感じる、なんでだろう』

 李仁が仰向けになり、湊音を見つめる。李仁の目から涙が流れた。


「ごめんね、ミナくん。逆らえなかったの。カイに。でも断ればよかったの。ねぇ、もっとキスマークつけて。私の体、ミナくんに染めて……」

「李仁……」

「愛してるっ」

「僕もだよ、愛してる……」

 優しくキスをした。そして互いにキスマークをつける。たくさん、たくさん。


「李仁は僕のもの……」

「ミナくんはわたしのもの……」

 もうぐちゃぐちゃに入り乱れる。朝まで、何度も何度も……。


 実は翌朝にカイがやってきて権利書にサインをする日であった。その時間までギリギリまで愛し合った。


「李仁は絶対僕のものだからね……」



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