湊音は李仁の家についていく。あんな大口叩いて実家から出てしまったが、李仁の家に朝いた李仁の元彼のことも思い出すと複雑だったがしょうがない。
「しばらくうちにいればいいよ」
「……うん、ごめん」
「一緒にいられるんだから私は困りはしないわ」
だがまた元彼が来るのではと湊音は今朝のことを話すか悩んでしまった。
元彼は他にも色々と言っていた。李仁を追い出そうとしたら住むところがないと言われてマンションをあげたとか、取っ替え引っ替え男を替えるとか、寝室に大勢の男を連れて乱行パーティーをしていたとか。
「どうしたの? 今日は早く寝ましょう。私も明日新刊フェアの展示作らなきゃだから眠いー」
「体もつね、掛け持ちしてて」
「好きだからしょうがないー、どっちも」
「すごいね」
「そうかな? あ、湊音くん。先にお風呂入っていいよ」
湊音は風呂から上がりぼんやりと考える。『明日は保護者になんて言えばいいんだろうか』
「ねぇ、まだ起きてたの? 先ベッドで寝ててよかったのに」
風呂上りの李仁は上半身裸であった。派手なタトゥーが脇腹に彫られていてどきっとする。彼は湊音の横に座る。
「帰って来ても湊音くんと一緒なんて嬉しい」
「そう?」
「うん。このまま寝ちゃうのもったいないけどベッドに行こうよ」
「うん……でも僕はソファーで寝る」
「じゃあ私も」
「……」
二人は見つめ合う。李仁から手を重ねて来た。絡み合う手、そして指それを引き寄せて李仁は湊音を抱き寄せてキスをした。
『!!!』
湊音は顔を真っ赤にする。だがその後続けて彼も李仁にキスをする。最初は唇だけだったが李仁が舌でこじ開けて舌を絡ませる。湊音も激しく絡ませる。腰を抱かれ、脚を触り、絡ませ、さらに激しくなる。
「ねぇ、ミナくん……?」
「なに? 李仁……」
「ベッド行こう」
「うん」
ベッドに行くと二人はさらに激しく絡み合う。湊音は1日あったことを忘れるかのように李仁に引き込まれていく。
もう李仁が男であろうが激しく激しくキスをした。
「んっ……」
可愛く喘ぐ李仁が愛おしく感じる。
「もっと声出していいのよ……」
「うん」
二人は服を脱いだ。明かりがついたままの部屋、白い肌の李仁。
『どのタイミングで電気消そう……でもタトゥーの入った李仁の白い肌も美しい……』
湊音はつい見惚れてしまう。
「なぁにもたもたしてるの?」
「えっ!?」
『李仁っ?!』
「ミナくん、男らしくてたまんない。可愛い顔して大人の男。もっともっとあなたを知りたい……」
「僕も……」
『こっからどうすればいいんだ……』
湊音はゴクリと唾を飲む。とても色っぽい顔をする李仁を前にする。
温かさを感じあう。
「あかり消しても駄目?」
「……」
「まぁ今日は終わりにして寝よっか」
「ごめんね」
「謝んなくていいよ」
「おやすみ」
「おやすみ……」