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第42話 王都

 それから数時間で王都の外壁へと到着した。


 今、私たちの眼の前には王都の大きな壁がそびえ立っている。私はその城壁を見上げながら感嘆の声をあげる。


「大っきぃ~」


 すると「さすが王都。半端じゃなくデカいな」とジンも同意。一番外の城壁からしてこれか。凄いな。ルンバさんが馬車を動かして城門をくぐり中へと入った。するとそこは一面が畑だった。私がその広大さに再び感嘆の声を上げる。


「おぉ。広ぉい!」


 するとルンバさん。


「ふふ。ぜひ今度は収穫時期に来てほしいですね。一面が黄金色をした素晴らしい景色が見れます」


 ジンが「へぇ。それは見てみたいな」と同意。私もその案に賛成だ。しかしそれにしても……私は進行方向へ視線を向ける。


「次の城壁が遠くの方にしか見えにゃい」


 そう。次の城壁までが遠いのだ。現在の時刻は朝だが到着は昼頃になるだろう。それまでのんびりと広大な土地を馬車が進む。


 それから特に問題も起きずに第二の城門前へ。そこは馬車が列をなしていた。ルンバさんが気を利かせてくれる。


「護衛はここまででいいですよ。馬車は積み荷の検査があったりと時間がかかりますから。徒歩で来る人達用の方が早いのでそちらへどうぞ」


 私たちは護衛終了の完了印を貰って、ルンバさんと別れ、そこから徒歩で城門をくぐった。


 問題もなく城門から中へと入った私たちは、まず、その人の多さに驚いた。


「人がいっぱいだぁ!」


 領都の比じゃないぐらい多い。そして何より熱気とか活気が凄い。しばらく驚いていると、ボロをまとった少年に声を掛けられた。


「よぉよぉ。王都を案内してやろうか?」

「案内?」

「そ。お駄賃次第じゃ使いっ走りとかもやってるぜ」


 へぇ。そんなのがいるんだ。私はジンとバッツを見る。するとバッツ。


「いいんじゃねぇか? さすがにここまで人が多くて広そうだと迷いそうだしよ」


 私は「じゃあ、そうね。まずは冒険者ギルドから。その後は宿をお願い」と頼む。すると少年。


「宿はどんなのが良いんだ?」


 聞かれた私たちは「そこそこの値段で買い物とかに便利な場所」と、お願いしたのだった。

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