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第16話 正体を見破ったり

有真ありまセンパイ、大丈夫っスか?」


 温美あたみは心配そうに俺の顔を覗き込んだ。


「あ、ああ。大丈夫だ、温美。俺のことは心配せず、準備とやらに行ってくれ」


 そう云われると温美は俺のことを気にしつつも、準備の為に食堂を後にした。


 女性とふたりになった俺は、恐る恐る声を掛けてみた。


「あ、どうも。一応お伺いしますが、貴方はうちの会社の社員ですか?」


 俺が声を掛けるとその女性は鬼のような形相で俺を睨みつつも「いいえ。違うわ」と憎々し気に返事をした。


 言葉にも怒りがありありとにじみ出ている。

 凄まじい怒りのオーラだが、何故、この女性は俺をそんなに敵対視するのか?


「あ、やはりそうですよね。うちの会社でお見かけした覚えがまったくないので……」


 うちの会社は小さな会社だが、それでもそこそこ社員がいる。

 その為、社員全員を隅から隅まで知っているわけではないが、それでも会社に数年勤めていれば、どんな社員が会社にいて、新卒や中途で新たに入社した者がいれば気づくなど、相手がうちの社員かどうかを判別すること位はできた。

 この女性は、そんな俺がまったく見覚えがない上に、気品と清潔感、そして颯爽さっそうとしたオーラに満ち溢れていて、うちの会社の社員としては全く似つかわしくなかった。

 その為、確認をするまでもなく、ほぼ間違いなくこの女性はうちの会社の社員でないだろうと俺は思っていた。


 そして、やはりそれはその通りだった。

 しかし、それではこの女性は一体誰なのか?

 そして何故こんなにも怒っているのか?

 そして俺以外にはこの女性が視えないのは何故なのか?


 その答えに俺は神がかり的な直感で辿り着いた。


「わかりました。それじゃあ貴方は───……


 ───貴方はですね?」




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【後書き】


 私の小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。

 (ノ≧ڡ≦)☆<ウレシイデス!!


 有真くんの直感は凄い!

 ……他はクッソ鈍感ですが(←言葉使い


 引き続き、皆さまに「面白い!」と思っていただけるよう頑張ります!

 (๑•̀ㅂ•́)و✧

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