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後日譚④ 「ネズミの神様 ~その壱~」

「それにしても、あともうちょっとだったのにね」


 相田 詠子はとても残念そうだった。


「もうちょっとで布が取り払われて苗蘇神社の神様と一条神社の神様が闘ってくれるところだったのに」


 備井 米美も悔しさが態度ににじみ出ていた。


「何がいけなかったの!? あれだけ準備したのに!」


 椎名 詩衣はやり場のない怒りに地団太を踏んだ。


「やっぱり神様が違ったのがいけなかったと思いマース」


 そう分析したのは泥田・ディーン・禰栖子だった。


「一条神社の神様と戦わせるのは「苗」の神様ではなく、「蘇」の神様だったハズデース」


「それはそうだけ……」


「「蘇」の神様を見つけられなかったし……」


「そうよ! 御社だってなかったのよ! 見つけられるわけないじゃない!」


「でも「蘇」の神様はこの地域で最強と言われた強者デース。安倍晴明とも互角以上と言われた鬼神だったデース。「苗」の神様じゃなく「蘇」の神様をなんとしても見つけるべきでしたデース」


 それはそうだけど……と相田 詠子、備井 米美、椎名 詩衣は苦々しく思った。


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