「で、でも
「それはあれや、この子らが教えてくれたんよ」
そう言って静子は2本の竹筒を取り出した。
「静子、やめろ。今そいつらを出すな」
「えっ? なんや
静子は驚いたが、時すでに遅しだった。
静子の持った竹筒には和紙で封がしてあったが、内側からそれが破られ、中から2匹の
「「久しぶりに外に出た! あっ! 狗巻っ! オマエ、式神を持ってるなっ! 一緒にに遊ばせろっ!」」
2匹の白狐は、狗巻の足に巻きつくと、スルスルと身体を登って狗巻の胸ポケットから式神の型紙を奪い取った。
そして奪った型紙をばらまくと、型紙は「ポンッ」という音とともに小さな煙に包まれ、次々と鬼や式神に姿を変えた。
「せっかく元に戻したのに…」
狗巻が舌打ちをした。
「かんにん、狗巻君。かんにんやで。式神を持ってきてるんを知らんかってん。ずっと一条神社で遊ばせてるんやと思ったんよ」
「そ、それより静子…、この狐たちは何…?」
由佳は滑るように辺りを駆け回る2匹の白狐に目を奪われていた。
「この子らはうちの
確かに可愛いのは可愛いが、由佳は急に静子が
「この子らは狗巻君の式神みたいなもんや。そんでな。由佳が神様を≪視える≫ことは、この子らが教えてくれたんよ」
「「そうだぞっ! オレたちが教えたんだっ! オマエは神が≪視え≫て、さらに神様の声を聞けて、おまけに神様に言葉を伝えることができる奴だってなっ!」」
管狐たちが今度は由佳に巻きついた。
静子が「こらっ。あんたら、ええかげんにしーやっ」と叱ったが、2匹は静子の言うことを聞く様子はまったくなかった。
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私の小説を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
୧(˃◡˂)୨
皆さまに「面白い!」と思っていただけるよう頑張ります。
(๑•̀ㅂ•́)و✧
静子の管狐はフェレットくらいの大きさをイメージしています。
……いえ、イメージではなく、フェレットと思っています(断言
フェレットは可愛いですね(*´﹃`*)
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