大宝の時代よりずっと昔からこの世界にはあやかしとそれに対抗する手段として陰陽師が存在した
陰陽師は祈祷や占術を主とするもの
あやかしを払う事を主とするもの
そして両方を担うもの
家柄、その者の趣向によって千差万別であった
そして平成も終わり令和に年号が変わっても陰陽師は絶えることなく脈々と受け継がれて今現在陰陽師の学校が出来る程に栄えている職業である
多数の私営、国立の陰陽局が存在しそれを国家陰陽局管轄が統率している
だが誰でも陰陽師になれるわけではなく素質がなければなれない
あやかしの見える目とそれを払う力が必要だ
代々陰陽師の家系に産まれて払う力がなければ出来損ない
更にあやかしが見えるのに払えないそんな人間はその家において人権などないことも少なくない
まさしく私がそれにあたる
あやかしが見えるのに払えない
力が弱すぎるのだ
実力主義の我が家ではまるで塵のように扱われ、それに絶えられなくなった私は半ば家出のように家を飛び出して民間の陰陽師の扉を叩いた
そこで出会ったのが彼だった