二十一の呪言 全てが正位となりし刻 世界は反転し 人魔の理に終焉を告げる~悪魔祓いヴェルディ・リリアーナの手記~
***
2005年10月某日。ここはゾルチーム魔法学校。
「トルチャ寮1年、ルイーザ・フランテ! 汝に悪魔祓いの資格を授与する!」
全校生徒が見守る中、校長先生から悪魔祓いのバッジを授与される。湧き上がる拍手喝采。喜び、緊張、不安、興奮、その他諸々。心の奥では数え切れない程の感情が渦巻き、どんな表情でいればいいか分からなくなる。授与されたバッジを、制服である黒のローブの胸元へとつけ、校長先生の方へと恭しく礼をした。
次に、校長先生が自らの杖を前に突き出すのに合わせ、私も杖を掲げてその先を合わせる。いにしえの騎士の誓いになぞらえた、悪魔祓い資格授与の為の伝統儀式だ。
右手で掲げた杖の根元では、車輪の紋章が妖しい輝きを放っていた。