「さっきはついカッ!っとなって殴ったりしてごめんな……」
「はぁー。
あたしだってわかってるわよ〜♪
あれは、あんたがワガママを言うときの幼い子供以上に聞き分けが無かったあたしの事を思ってしてくれたことなんでしょ?
そうなんでしょ?」
「おっ!
デルタ〜。お前けっこう人を見る目あんじゃん♪」
「ハ〜イ!
嘘松、嘘松〜!
違うよー!
カムっちはそんなこと考えないよー!
知能ゴリラだから、ただムカついたら殴る。
それだけだよー♪」
「ちょ、ハルキテメェェー!!
ツラ貸せ? このヤロー!!」
「カムっち痛い痛い痛い!」
「ねえハルキさん?
誰の知能がゴリラ並みだってぇ〜?
ねえええー!!??」
「カムっち目が怖い!
それに腕折れた! マジマジ! 本当に折れた〜!」
「クスクスww
ハハハ、ハハハハハハww」
蓮姫とハルキの茶番にデルタは腹を抱えて大声で笑いだした。
「なんだ、デルタ?
お前そんな笑顔で笑えるんじゃねーか」
「ハハハハハ、あ〜苦しー!」
「アハハ、アハハ!」
「ちょっと、カムっちまで笑いだしてぇ。
えーい、こうなったらアタシも負けずに笑うよー!
アハハ、ハハハ」
デルタは笑うようになった。
そのデルタの笑顔は、悲しみのどん底からでも幸せは必ずあることに気付けたからだ。
デルタが怒りに任せて父親を殺したことはデルタの世界線では紛れもない事実であり、デルタが歩む新しい世界線でも決して無くなること無い。
そして、ナブラとラプラシアンを死なせてしまった過去も巻き戻すことは出来ないのかもしれない。
それでも、デルタは救われたのだ。
喜びだけじゃない。悲しみだって大切な誰かと一緒に分かち合っていけるのだから。
「それで、デルタ?
お前はこれからどうする予定なんだ?」
「え〜と……」
「そのことなんだけどねー」
「ハ、ハルキ!!
お前、ハルキなのか??」
「そだよー!
カムっち半分正解。そして半分間違い」
ハルキの体は、機械のボディーに変わっていた。
「お前、その体……どうした??」
「アタシの本当の正体はねぇ〜、
デウス・エクスマキナ。
地球の歴史に悪影響を及ぼしかねないイレギュラー因子の一つ 超越因子 を追ってカンブリア紀の時代にやってきた未来特殊潜入調査機体のインターフェースの1体だよ」