「ゴスロリ女の事は私も知らん。
それよりそのビデオレター、早く観てみろよ?」
「ふん。あんたに言われなくてもわかってるわ!」
[[ナブラ、デルタ、ラプラシアン。
今まで訳あって話せなかったパパを許して欲しい。
実はね、ナブラとデルタは父さんと妻の姉弟じゃないんだ。
ラプラシアンくんも含めてお前達三人はこの星の連星にある研究所で私が研究員達と作り上げた分子生物学の遺伝子ロボットとして生まれたんだ。
これは、君たちが今生活している時代より先の未来の話なんだけどね。
私は研究所で君たちを作った時に不幸な事故で妻と娘、大切な家族を失ったんだけど、その原因を本当は関係の無い君たちに押し付けてしまったんだ。
そして、私は君たちを殺そうとした。
だけどね、ペンダントの量子タイムトラベルの力を使って君たちを過去の連星に逃し、君たちを殺そうとまでした私の気持ちに共感し励ましてくれた女性がいたんだ。
それは私の研究所の研究員の女性で、ナブラやデルタのママになってくれている人だよ。
妻は教えてくれたんだ。
過去の私が今の君たちの時代に現れて嫌がらせをすることを。
そして、恨みを買った私が君たちの誰かに殺される数パターンの悲しい結末もね。
それから、私は妻と一緒に考えたんだ。
みんなが幸せになれる結末をね。
それはね、今の私と妻が……]]
[[ちょっとあなたー!?]]
[[ごめん。 今妻が私を呼んでるみたいだ。
ただ、これだけは言わせてほしい。
ナブラ! デルタ! ラプラシアン!
今までお前達に酷いことをやってきて、本当に……すまん、すまん]]
「パパ……」
デルタはホログラムのビデオレターの中で
顔をくしゃくしゃにしながら泣き、頭を下げる父親の姿に驚きを隠せなかった。
「ほっんと、パパってサイテーよ!
今まであたし達三人がパパにやられたことを考えてよ! パパの為に絶対に泣いてやるもんですか!」
ビデオレターの再生が終わった後もなお、
デルタは父親の形見のペンダントを片手で包むように握り、そして嬉しそうにみつめ続けていた。
「なあ、デルタ?」
蓮姫からの問いかけによって、デルタはやっと我に返った。
「なに?」