「君は誰!?」
「私は5次元少女ネイピア。あなたたちにとって私はメタな存在だから、私の素性をあなたに教える必要は無いんだけど……、まあいいわ。後で私に関する記憶を消させてもらうから」
「5次元? メタ? メタってなに?」
「メタはメタフィクションのこと。つまりね、あなたが知覚できる宇宙の全ては私を含めた高次元の神、創造主達が作った箱庭なの」
「え? じゃ、じゃあ、僕たちは君が……」
「私のことはネイピアでいいわ」
「わかった。僕たちはネイピア達が作ったの?」
「まあ、間接的にはそうだけど違うわ」
「実際には違うってこと? じゃあ僕たちは誰が作ったの?」
「人間は私達が作ったんだけど、あなたとあなたの姉とラプラシアンっていう少年は、人間が自発的に作ったの」
「人間がつくったって人から人が産まれるのは当たり前じゃん、お姉さん僕がまだ小学生で知識が浅いからってからかったでしょ! もー!!」
「からかってなんていないわ。まあ、あなたがそうやって拗ねる気持ちもわからなくもないけれど、人の話は最後まで聞きなさい」
「は〜い」
「人間が自発的に作ったって言う意味はね、人間の科学文明が道具や機械を生み出してきた延長線上で科学者があなた達を発明したっていうこと」
「は、発明? 僕や姉ちゃん、ラプラシアンを? 人間が、科学者が?」
「そうよ……。集団で群れを作る高度知的分子ロボットをね。バイオテクノロジーとロボット工学を駆使して研究室の試験管の中で培養されて……」
「ちょっと待ってよ!!!」
ナブラはネイピアに向かって怒声をあげ、言葉を遮った。
「気を悪くさせちゃってごめんなさい……」
「僕の方こそ、お姉さん僕に向かって生意気に怒鳴ったりしてごめんなさい。
でも僕、いきなりそんなヘビーな事言われて、今頭の中がぐちゃぐちゃで……」
「わかったわ。少し待ってあげる。今あなたが私と出会って話した記憶は全て夢だったというようにしておくわ。だけどね、あまり時間は残されていないの。あなたには真実に向き合って私達と一緒に戦って欲しい。時空を断然させる悪魔のサイコロを生み出した黒幕の野望から、私達の未来を守る為にね。
それじゃあ、おやすみなさい……」