「ピコーン! ピコーン!」
ナブラの周りの視界は、まるで曇った窓ガラスの外を覗き込んでいるようにぼやけていて、どこにいるのかすら分からなかった。
しかし、その問題はその後特別何もしなくても解決することができた。
ナブラは何気なく耳を澄ます。
すると……、不気味な電子音が、まるで心臓が鼓動を打つように、規則的に「ピコン、ピコン」と鳴り響いた。
自分が今いる場所は、どうやら病院か研究室らしい。
「それにしても、どうして僕は"研究室"って思ったんだろう?
お母さんが研究室で働いているからだっけ?
いいや違うな、確かラプラシアンが言ってたっけ。
僕とラプラシアンとデルタ姉ちゃんに共通する秘密があるって……。
ラプラシアンが言っていた、僕たち3人に共通する秘密……。
そして、こうも言ってたっけ。
あれには確か、あのオパーツには太古の人類が生み出した設計図が書かれているはずって……。
………
…………
……………
「分子ベイビー計画じゃないの?」
「そう、それ!
……って、君は一体誰なんだ?」