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エピローグ② 洞窟の光

それから暫くすると、不思議な事にすぐ近くの洞穴の入口が光出した。

僕はその光景を怖いなんて思わなかった。

だから、不思議なその光を追ってすぐに中を見に行くことができた。


洞穴の一番奥までたどり着くと、

光っていたものの正体はすぐにわかった。


それは、一面光輝く壁画だったのだ。

最初は絵の上手い仲間が描いたのかと思ったけど、光っているから違うとわかる。


壁画には惑星のような絵、UFOのような絵、

不思議な服を着た人間の絵が描かかれていた。


そして、僕が一番驚かされたのが、

中心に描いてあった二人が手を繋いだ絵だ。

 その絵が、愛理栖と公園で地面に描いた絵とそっくりだったのだから。


僕は指先で壁画のその部分に触れてみた。

すると突然、まばゆい光を放ちながら、

見たこともない記号が五つ目の前に現れた。


僕がその記号を左から順に触れていくと

記号の読み方が自然に頭に入ってきた。

「∧ アーレ、∨ カーリ、ⅡΩⅡ アスー、

x∧8 アミュー、Ⅱ∨Ⅱ シーガ」


僕が五つ全ての記号を読み終えると、

辺り一面が白い光に包まれた。


そして間もなく、どこからか大人の女性の声が響いてきた。


【私はスジャータ。

そちらの世界の旧人類達と昔交流した者です。

そして、私はあなたの生まれた地球からは

遥か遠く離れた宇宙にある星の科学者なんです。

今から、大切な呪文をあなたに伝えます。

私が去った後に先ずは『アーレ』、

そして彼女のところに着いたら、

彼女と一緒に『アミュー』と叫んでください。


最後に、……のこと、お願いしますね】


「え?最後に何て……?」

最後にその声の女性は何か大切な事を言っていたようだったけど、僕には最後まで聞き取れなかった。


僕は女性が去った後、

言われたように叫んでみた。

「アーレ!」


僕の周りの空間がぐにゃぐにゃに乱れ始めた。

僕はその時空間の歪みに酷く酔ってしまっていた。


「…………」


「………?」


「………さん?」


「ひかるさん?」


自分がそのまま暫く意識を失っていた事に気が付いたのは、彼女が起こしてくれた時だった。

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