それから暫くすると、不思議な事にすぐ近くの洞穴の入口が光出した。
僕はその光景を怖いなんて思わなかった。
だから、不思議なその光を追ってすぐに中を見に行くことができた。
洞穴の一番奥までたどり着くと、
光っていたものの正体はすぐにわかった。
それは、一面光輝く壁画だったのだ。
最初は絵の上手い仲間が描いたのかと思ったけど、光っているから違うとわかる。
壁画には惑星のような絵、UFOのような絵、
不思議な服を着た人間の絵が描かかれていた。
そして、僕が一番驚かされたのが、
中心に描いてあった二人が手を繋いだ絵だ。
その絵が、愛理栖と公園で地面に描いた絵とそっくりだったのだから。
僕は指先で壁画のその部分に触れてみた。
すると突然、まばゆい光を放ちながら、
見たこともない記号が五つ目の前に現れた。
僕がその記号を左から順に触れていくと
記号の読み方が自然に頭に入ってきた。
「∧ アーレ、∨ カーリ、ⅡΩⅡ アスー、
x∧8 アミュー、Ⅱ∨Ⅱ シーガ」
僕が五つ全ての記号を読み終えると、
辺り一面が白い光に包まれた。
そして間もなく、どこからか大人の女性の声が響いてきた。
【私はスジャータ。
そちらの世界の旧人類達と昔交流した者です。
そして、私はあなたの生まれた地球からは
遥か遠く離れた宇宙にある星の科学者なんです。
今から、大切な呪文をあなたに伝えます。
私が去った後に先ずは『アーレ』、
そして彼女のところに着いたら、
彼女と一緒に『アミュー』と叫んでください。
最後に、……のこと、お願いしますね】
「え?最後に何て……?」
最後にその声の女性は何か大切な事を言っていたようだったけど、僕には最後まで聞き取れなかった。
僕は女性が去った後、
言われたように叫んでみた。
「アーレ!」
僕の周りの空間がぐにゃぐにゃに乱れ始めた。
僕はその時空間の歪みに酷く酔ってしまっていた。
「…………」
「………?」
「………さん?」
「ひかるさん?」
自分がそのまま暫く意識を失っていた事に気が付いたのは、彼女が起こしてくれた時だった。