愛理栖はふっと我にかえったようだ。
「思い出しました。 名前はこれですよ」
愛理栖はそう言うと地面のキャラクターの絵の上に『アイリス』とそう書いた。
『グラグラグラグラ』
「ねえ、愛理栖? 今ほんの数秒だけど確かに激しく揺れなかった? 地震かな?」
「いえ、揺れていませんよ」
「気のせいかな?」
『ガツン!』
「あれ? ひかるさん?
地面に何か埋まっているみたいですよ」
「え? いったい何だろうね? 掘り出してみようよ」
僕達は地面に埋まっていたものを掘り起こしてみた。
「ブリキの缶みたいですね。開けてみましょう」
素手では開けられ無かったので、僕は家から工具を持ってきて無理やりこじ開けた。
「手紙? それにこれはペンダントかな?」
「愛理栖、手紙読んでみるね」
「お願いします」
•2014年にいる私と仲間達へ•
私は名前を思い出し5次元人になった愛理栖です。
まず、私にお願いがあります。
あなたはそのままだと、時空間を漂う情報の姿になってしまいます。そうなると、しばらく誰にも姿が見えなくなります。
私は果てしなく長い期間、その状態を経験しましたが、
地球から何十億光年も遥か遠い星の古代遺跡で
ある不思議なペンダントを発見したのです。
そのペンダントを身につけると、一部の人間にだけは抽象化した実体として見せられるようになります。そのペンダントをあなたにお貸しします。
全てが終わったらまた、後で取りに行くので、
元の場所に埋め直しておいてください。
さあ!早くこれを使って仲間と一緒に問題の五次元人に会いに行って下さい。
場所の空間座標はそのペンダントに付いている磁石に記憶させています。
時間座標の移動は必要はありません。
先ほど公園で宇宙がリセットされた事により、
約15年分相手の五次元人が未来に……つまり
あなた達の時間に来ていますから。
急いで下さい。
貴方達がタイムカプセルを見つけてから48時間しか
そのペンダントは力を発揮しません。
どうか、私達の宇宙を守ってください