次の日の朝、僕は布団から目が覚めた。
愛理栖が言っていた通り、 僕の入院しているお母さんや消えた人達全員が戻っていた。
そして、 消えていた事実についてはだれも覚えてはいないようだった。
僕は愛理栖のおばさんの家に行ってみたが、 愛理栖どころか僕の事さえも知らないと言われてしまった。
その日の夜、僕はまるで誰かに呼ばれたかのように、
真っ直ぐ廃ビルへと足を運んだ。
そして、ビルの中に足を踏み入れようとしたが、 愛理栖と話した部屋の入口なんてどこにも無かった。
僕はそのまま屋上へ上がり、 ふと夜空を
「愛理栖、
君が生まれてきた
見つかったんだね」
その笑顔に涙を浮かべた僕の瞳は…まるで、
いつかの少女がくれた笑顔のように
可憐に輝くこと座のベガを
いつまでも
いつまでも、映し続けていた。
つづく