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第35話 サマーディ 意味 

次の日の朝、僕は布団から目が覚めた。

愛理栖が言っていた通り、 僕の入院しているお母さんや消えた人達全員が戻っていた。

そして、 消えていた事実についてはだれも覚えてはいないようだった。

僕は愛理栖のおばさんの家に行ってみたが、 愛理栖どころか僕の事さえも知らないと言われてしまった。


その日の夜、僕はまるで誰かに呼ばれたかのように、

真っ直ぐ廃ビルへと足を運んだ。

そして、ビルの中に足を踏み入れようとしたが、 愛理栖と話した部屋の入口なんてどこにも無かった。

僕はそのまま屋上へ上がり、 ふと夜空をあおいだ。


「愛理栖、

君が生まれてきた真実ほんとう理由いみ

見つかったんだね」

その笑顔に涙を浮かべた僕の瞳は…まるで、

いつかの少女がくれた笑顔のように

可憐に輝くこと座のベガを

いつまでも

いつまでも、映し続けていた。


つづく

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