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第22話 ブッディ 目覚め

僕はベッドから起き上がり、ぼんやりと天井を見上げた。


さっきのは夢…?


いつの間にか寝てしまっていたようだ。


「ひかるさん、起きた?

おはようございます!」

愛理栖の明るい声が響いた。


「おはよう。ちょっと変な夢を見てさ…」


「へぇ、どんな夢ですか?」


「秘密だよ。ところで、愛理栖ってさ、

5次元が実際にどう見えるか知ってる?」


「え?5次元がどう見えるかですか、

う……、

難しいです」

愛理栖は目を丸くして、首をかしげた。


昨日のはやっぱり、夢……だよな。

僕は心の中で呟いた。


「うーん、簡単に言うと、僕たちの住んでいる世界とはちょっと違う、ふりかけのような世界のことなんだ。」


「へぇー。ふりかけみたいな世界なんですね」


「よくわかんないんだけど。夢に出てきたからさ。」


「へぇ、面白いですね。

あたし、そんなの全然知らないです」

愛理栖は楽しそうに笑った。


「ところで愛理栖。今日の予定、何か希望ある?」


「うーん、とりあえず、空さんにお礼を言って、次の場所へ行く感じですかね」


「うん、そうだね。じゃあ準備しよう!」



「あんた達もう行くの? まだゆっくりしていっていいのに」


「いえいえ、そんな何日も迷惑かけられません。本当にたくさんお世話になりました。 空さんありがとうございました」


「あの、愛理栖ちゃん、ひかるも、

LINI交換しといていい?」


「あ、もちろんです♪」

僕達は喜んで快諾した。


「ねえ、愛理栖ちゃん?

あのひかる君の話……」

空さんは愛理栖に小さく耳打ちした。

「はい、今夜電話しますね」


「何を聞いたんだよ、愛理栖?」


「秘密です♪」



「困ったことがあったらいつでもかけな。

また遊びに来なよ!」


「は~い!」

僕はそう言うと愛理栖の母の家目指してハンドルを切った。





しばらく車を走らせると、視界が開けた。


「わぁ、すごい!」

愛理栖が窓から顔を出し、興奮気味に叫んだ。


眼下には、雲海が広がっていた。

まるで、綿菓子を敷き詰めたような、

ふわふわとした雲が、どこまでも続いていく。


「すごいね…まるで天国みたいだ」

僕も、窓の外の絶景に見とれていた。


雲海の上を飛んでいるような、

そんな気がした。


※今回の要約※

不思議な夢から目覚めたひかる。

ひかるから5次元の話をふられて愛理栖は困惑する。

二人は空に別れを告げ、再び旅立つ。

旅の途中、二人は偶然雲海に遭遇し、

その絶景に感動した。


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