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第20話 ディアーナ フラクタルの雲

ふわふわと空に浮かぶ、形がそっくりな雲たち。


ちいさな雲が集まって、大きな雲を作っている。


1/fゆらぎを静かに奏でるフラクタルの雲。


その不思議な形を見つめているうちに、

僕は夢中になっていった。


まるで、ずっと探し求めていたパズルを見つけたような気持ちで。


静かで特別な時間がゆっくりと流れていく中、彼女は僕に話してくれた。


ちいさな砂粒の中にさえ、宇宙が広がっていること。


ロシア人形みたいに、宇宙の中に宇宙がいくつも重なっていること。


世界は、たくさんのパズルがバラバラに散らばったようなものだって。


でも、僕たちはいつも、そのパズルのほんの一部しか見ることができない。


この世界は、目に見えないものでできているから。


彼女は、5次元の存在で、僕たちの宇宙そのものだって言う。


そんな話、普通信じられるわけがない。


でも、彼女は確かに僕の目の前にいた。


彼女は僕に何かを伝えようとしていたけれど、


眩しい光が僕の意識を包み込んだ。


そして、彼女の姿は消えてしまった。


必死に彼女を探したけれど、

どこにもいなかった。


まるで、僕が彼女を忘れるように、

僕の心は真っ白になっていった。


ぼんやりとした意識の中に、誰かの声が響いた。


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