「実は、創造主は私たち人間とそれほど変わらない存在かもしれません」
愛理栖は、打ち明けるように静かに語り始めた。
彼女の瞳は、夜空に瞬く星のように輝て、その言葉に確信を込めていた。
「どういうこと?」
僕は思わず尋ねた。
「私には、幼い頃にとても大切な人達と過ごした断片的な記憶があるんです。
詳しくは思い出せないんですが……」
愛理栖は、眉をひそめて少し考え込んだ。
「そのとき体験した出来事から、私の名前には宇宙の秘密や創造主に繋がる
とても大きな意味が込められていることがわかりました。
だから私、思い出したいんです。
一緒に、私の本当の名前、探してもらえませんか?」
そう言って、彼女は期待に満ちた瞳で僕を見つめた。
愛理栖の突然の頼みに、僕は思わず目を丸くした。
「え、ちょっと待って。考えさせてほしいな。」
「ごめんなさい。こんなこと急に言われて、
混乱しますよね。」
彼女は宇宙に興味があるだけでなく、
自分の出生の秘密を探しているという。
そして、世界を救うために創造主を探しているらしい。
私たちは、この世界の裏側にある真実を知ることができる特別な存在なの。
創造主と話すことができるし、この世界から抜け出すことだってできる
愛理栖の言葉は、どこか魅力的だった。
でも、同時に胡散臭さも感じた。
まるで、新しい宗教に勧誘されているような…。
でも、彼女の真剣な眼差しに心を動かされた僕は、愛理栖の提案に乗ることにした。
「ひかるさん、もう後戻りはできませんが、
覚悟はできてますか?」
「うん、もう後戻りはできない。」
母のこと、そして周りの人たちのこと。
僕はもう、他に選ぶ道がなかった。
これは、僕にとって最後の賭けだった。
※今回の要約※
愛理栖は自分の出生の秘密と創造主を探し、
共に世界を救いたいとひかるに協力を求める。ひかるは彼女の言葉に惹かれ、壮大な冒険へと足を踏み入れる。