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第5話 コーティ 5番目の次元⑤

「ひかるさんを悪く言わないで!!」

愛理栖の突然の大声に、僕は圧倒された。


「あ、愛理栖ちゃん?」


「あ、痛い、痛い」


「おい、急に頭を庇って大丈夫!?」


「大丈夫です。もう痛みは治りましたから」


「大丈夫そうには見えないよ。待ってて、すぐに救急車呼ぶから」


「お願いです。呼ばないでください!」


「え、どうして?」


「この症状、実は今回だけに限ったことでは無いので大丈夫です」


「本当に?無理はするなよ」


「はい」


「愛理栖ちゃん、さっきはありがとな」


「え? 何のことですか?」


僕は何かを思いついた時のような勢いで、愛理栖の至近距離まで詰め寄った。


「ちょっと、え、え!?急にどうしたんですかひかるさん!?」


しかし、愛理栖は目を閉じて、正面より少し上を向いていた。


「いいのかい、愛理栖ちゃん?」


「そんなこと聞かないでください」


愛理栖の返事を確認した僕は、彼女の頭にそっと片手を載せた。


ビクッ!


「大丈夫か、愛理栖ちゃん?」


「大丈夫です」


僕は愛理栖の言葉に反応せず、ただ静かに愛理栖のサラサラと流れる髪を撫でた。彼女は目を閉じたまま、僕に話しかけてきた。


「ひかるさん? さっき私にありがとうって言ってくれましたよね? あれはどういう意味ですか?」


「僕がどこの馬の骨ともわからないような男と言われた時に、君は強く否定してくれたよね。ありがとね、愛理栖ちゃん」


「あの時ですね。私の事なら我慢できますが、ひかるさんを馬鹿にされるのは許せなかったんです」


「本当にありがとう、愛理栖ちゃん」


「私のことは愛理栖でいいですよ。

お兄さんのことはこれからひかるさんって呼んでいいですか?」


「もちろん」


「改めてよろしくね、愛理栖」


「はい、私の方こそ、よろしくお願いします。

ひかるさん」



「それにしても、今の症状、本当に大丈夫?」


「はい、大丈夫です。

ところで、ひかるさんは私のこと信じてくれますか?」


「もちろんだよ。何があっても信じるよ」


愛理栖は少し安心したように微笑んだ。しかし、彼女の目にはまだ不安が漂っていた。


「実は、私にはひかるさんにしか言えないことがあるんです」


「何でも話してごらん」


「ひかるさんの周りで起きている奇妙な出来事、すべては私とこの宇宙の創造主が原因なんです」


僕は耳を疑った。「創造主って、どういうこと?」


「実は、この宇宙には創造主が存在していて、私たちの運命を操っているんです。その影響で、存在や記憶が書き換えられることがあるんです」


「そんな…信じられない。でも、君が言うなら…」


「信じてくれてありがとう、ひかるさん」



※今回の要約※

愛理栖はひかるの前で突然頭痛になった。

ひかるは愛理栖を心配して病院に連れて行こうとしたが、愛理栖は断った。


愛理栖は自分の頭痛の原因が

自分と創造者にあるとひかるに明かした。



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