ジョイポットに戻って、ヒロスタの台についた二人。
「タンマ!」
ビシッと手を挙げるヨシキ。
「はい、ヨシキくん」
「人の配置が不公平やと思います」
「んん?」
何が言いたいのかというと。
大地とヨシキが台に座っているのは、これから対戦するから仕方ない。
問題はギャラリーである美咲と琴葉だった。二人ともが大地の後ろにいるのがヨシキは納得していないらしい。
どうでもいいことだと思うが。
「なんか、この配置やと三対一みたいな感じになると思いますが?」
「そやで?」
「そうなの!?」
衝撃的な顔をするヨシキ。
「美咲は俺の味方ちゃうんか?」
「んー、どっちの味方でもないけど、強いて言うなら大地くんかな」
「お前、ほんましばいたろかッ」
「お前昼休憩終わりじゃねえのかよ?」
休憩が終わったにも関わらず、美咲は変わらずここにいる。
「まあ、こうしていることも仕事のうちやし、気にせんでええよ」
「いや、別にしてねえけど」
「じゃあ四条でええわ。こっちこいや」
美咲の隣にいる琴葉を呼ぶヨシキ。
どうあっても三対一という構図はなくしたいらしい。どうしてそこまでしたいのかは分からないが、どれだけ考えても大地にはヨシキの思考を読み取ることはできなさそだった。
「いや、わたしヨシキさんのことあんまり好きじゃないので」
「めちゃくちゃハッキリ断られたッ」
ガーン! と分かりやすくショックを受けた顔をするヨシキ。
琴葉の拒絶の顔は本物で、冗談で言っている美咲とは拒絶度が違った。
「おい、話進まないからもうあっち行けよ」
「ええー、それを言うたら別に琴葉ちゃんでもええやろ? うちである必要はなくない?」
「い、いやいや! ヨシキさんは美咲さんを望んでるんで!」
自分にまだ飛び火がきそうだったので琴葉は慌てて拒否する。ぶんぶんと手を振りながら、挙句の果てには大地の服を掴む。
「わたしは剣崎さんのサポーターを務めますので!」
「いやいや、うちも大地くんのサポーターがええわ」
「どっちでもいいんですけど!」
後ろは後ろでよく分からない戦いを始めてしまう。
それを見たヨシキがもう怒りを通り越して寂しそうな顔をしていた。さっきまでは見えなかったサングラスの奥の瞳までもが彼の感情を訴えかけてきている。捨てられたチワワみたいな目をしている。
「おい、まじで行ってやれよ」
「ふぅん。大地くんは琴葉ちゃんを選ぶんやね?」
「ああ、もうそれでいいから」
「ええよ。そういうことならしゃあないわ。うちを敵に回したことを後悔させたる」
言いながら、美咲はヨシキの方へと移動する。
美咲が近づいてくるに連れて、ヨシキの顔がぱあっと明るくなっていく様が何だか面白かった。
「やったれヨシキくん! あんたの力をあの阿呆にとくと見せつけたるんや!」
「うおっしゃあ! やったるでぃ!」
わーきゃーと騒ぎ出す美咲とヨシキ。大阪の人間二人が集まると面倒くさいうるささが起こるんだなあ、と大地は思った。
「がんばりましょう、剣崎さん!」
ちょっと嬉しそうな琴葉が胸の前で拳を握りながら言う。
ヨシキのサイドに回らなくてよかったことが、そんなにも嬉しかったのだろうか。
「……そんなにあいつのとこ行くの嫌だったのか?」
「そんなんじゃないです」
そう思って訊いてみたのだが、琴葉はむうっと唇を尖らせながら否定した。彼女の頭の中もよく分からない。
「ていうか別にこれチーム戦とかじゃないし」
「うるせい阿呆!」
「せやせや! バカボケアホ!」
美咲の加入によりお通夜状態だったヨシキが復活して凄まじく騒がしくなっている。語彙力がないのか、罵声にレパートリーがないのが残念だが。
「いいから、さっさと始めようぜ」
「ハッ、威勢がいいのも今のうちだけやで」
ようやく話が落ち着いたところで、大地とヨシキはコインを投入する。
キャラクター選択画面まで進んだところで琴葉がちょんちょんと大地の肩をつつく。
「なんだ?」
「今回もオセロで行くつもりですか?」
「当たり前だろ。俺はこのキャラを極めるって決めたんだよ」
「確かに最初に比べると上手くなりましたけど、限界というのはあると思います。勝ちたいのならば作戦としてキャラクターを変えるのも手なのでは?」
「最初に言っただろ。好きなキャラを使って勝つことが大事なんだよ。勝利を得るために自分の誇りを捨てたんじゃ意味がねえんだ」
「……そう、ですか」
決してオセロが弱いわけではない。
キャラクタースペックの差はあるものの、弱点がある分強みもある。オセロの場合は攻撃力が低い代わりにコンボが続きやすく、そしてスピードがある。純粋な殴り合いであればそこら辺は問題にならない。
しかし、このゲームには技がある。
それによって、どうしても強い弱いは出てきてしまう。
オセロの攻撃、特に一発逆転を狙える超必殺技は非常に当たりにくい。それは周知の事実なのでオセロは弱いキャラ扱いを受けているのだ。
「ヨシキさん、強いですよ」
「ああ」
大地は躊躇うことなくオセロを選択する。
相手も選択し終えていたようでフィールド選択画面に変わる。様々なゲームのキャラクターが使えるこのゲームでは、それぞれの作品の代表的な場所を模したステージで戦うことができる。
が、そのステージ特有のギミックがあり、時にそれを邪魔と感じてしまうことがある為、真剣勝負の場では何もないただの平地である『決闘場』が選ばれることが多い。今回もそうだった。
このステージ選択画面の時点で相手が使用するキャラクターが分かる。
「相手はマルオか」
マルオというのは『スペシャルマルオブレイカーズ』というゲームの主人公だ。
マルオが住む国のお姫様が攫われてしまうのでマルオが助けに行くという内容。シンプル故の難しさがあり人気が高く、続編も発売している。新作が発売する度にお姫様は攫われる。そのゲームに登場するキャラクターが人気で、様々な種類の派生ゲームがあるのだ。
「確か初心者向けのキャラだよな」
赤い帽子を深く被っているせいで目もとが見えないちょび髭のキャラクター。紺色のオーバーオールがよく似合っている。
「そうですね。操作が比較的簡単で、攻撃もわかりやすい。けど、その分極めると強いです」
「ふーん」
「ヨシキさんはこの辺では一番のマルオ使いとして知られています。それくらいには彼の腕は確かということですね」
「四天王って呼ばれてんのは伊達じゃないってことか」
ステージ選択が終わり、対戦が始まる。
マルオを相手に戦うことはこれまでに何度もあった。使いやすいキャラクターであるが故に、使用するプレイヤーがそこそこいたからだ。その戦いのほとんどで大地は勝ち星を得ている。
マルオ相手の立ち回り方はだいたい分かっている。
「先手必勝だ」
オセロは前へダッシュしてマルオに接近する。それを察したマルオはジャンプしてオセロの後ろに回った。少し離れたところに着地したマルオはそのまま野球ボールを剛速球で投げてきた。
それに当たり、ダメージを負った一瞬でマルオは距離を詰めてくる。そしてパンチパンチキックの三連コンボを決めた後、アッパーカットでオセロをふっ飛ばした。
「なんだと」
「だから言ったじゃないですか。ヨシキさんは気持ち悪いけどゲームの腕は確かなんです!」
「聞こえてるでー」
美咲が味方になったことでだいぶ和やかになったヨシキの軽いツッコみが台の向こうから飛んでくる。
しかし、大地はそんなことに気を回してる余裕はなかった。
これまで戦ってきたマルオ使いとはレベルが違った。強いことは分かっていたから油断していたつもりはない。それでも、気を抜けば一瞬で勝負がついてしまう。琴葉と戦っているときもこんな感じだ。
けれど。
琴葉の方がもっと強い。
何度も敗北したが彼女と戦っていたおかげで、ヨシキの強さにたじろぐことはなかった。
「なんや、口だけかいな」
くくっとヨシキは嘲笑を見せる。
それでもマルオの攻撃は止まない。こちらに気を回しても十分に操作をしてみせる。
怒涛の攻撃によりオセロのライフ数値は既に黄色に変化している。こちらも相手の隙を見つけては攻撃を入れているが差は開いていく一方だ。
オセロは一度、マルオとの距離を取って体勢を立て直そうとした。
しかし、マルオが下から出現した土管の中に入った次の瞬間、オセロの後ろに回り込んできた。マルオにはこの瞬間移動があることを忘れていた。
掴まれてそのままバットで遠くに吹っ飛ばされる。マルオはバイクに乗り、オセロを追跡する。そしてそのまま衝突した瞬間にバイクが爆発し、オセロに追加ダメージを与えてきた。
それによりライフ数値は赤色にまで減少する。
「……」
タイミングを見誤るな。
焦るな。相手の動きをよく見ろ。大地は自分に言い聞かせる。
ダメージを受けすぎた。ここから普通に戦って勝つのは難しい。大地が狙うはオセロの超必殺技である『リベンジバースト』だ。自分がダメージを負っていれば負っているだけ相手に与えるダメージが大きくなる。
もちろん、大地がそれを狙っていることは相手も分かってるだろう。警戒されている中でどう攻撃を当てるかが腕の見せ所である。
リベンジバーストはガードされれば不発に終わる。つまり、相手がガードをしていないタイミングを突く必要がある。
例えば、相手が攻撃をした瞬間だ。
攻撃モーションに入った場合、それを中断することはできないのでそれに被せて発動すれば相手はガードできない。しかし少しでも発動タイミングがズレれば相手の攻撃が先に当たり不発となる。
ヨシキもそれを警戒しているのか、迂闊に近づいてはこない。
なのでこちらから接近する。
攻撃しようとするとマルオはガードしてくるので、瞬間的に掴み技を繰り出す。そして再び接近すると今度は掴み技を警戒して距離を取ろうとしてきたのでそのまま攻撃を繰り出す。
それを繰り返すことで相手に攻撃のタイミングを悟らせない。
「くそ!」
そして。
シビレを切らしたその瞬間こそが、最大の攻撃チャンスである。
相手の攻撃に被せて超必殺技を放つ練習は何度もした。オセロを使用する最も大きいメリットは超必殺技の威力だからだ。逆に当たりにくさが最大のデメリットでもあるのだが。だからこそ、その技をいかに相手に当てるかが重要となる。
その手段を考えたとき、被せ発動の考えに至るのは至極当然のこと。
そして、それを成功させるのは反復練習だ。
「しまッ、た!」
マルオが攻撃してきたその瞬間、オセロが超必殺技を発動する。
相手の攻撃がこちらに届く前にオセロの攻撃がマルオにヒットした。
アニメーション演出が入る。気のようなものを纏ったオセロがそのまま相手に突撃していく。
大きな爆発が起こり、相手は吹っ飛んでいく。表示されているライフ数値がみるみるうちに減っていった。
オセロの超必殺技は相手に攻撃を与えた後、不確定な確率で追加攻撃が起こる。切り札ゲージが溜まっていればいるほどその確率は上がるのだが、それでも発動は低確率だと言われている。現に、ここでも発動はしなかった。
バトル画面に戻ったとき、マルオのライフ数値は赤色、それも風前の灯のところまできていた。ライフ数値だけで言えばオセロが逆転したことになる。
「ハッ、どうだ!」
土壇場で超必殺技を当てたことにドヤ顔をする大地はそのまま琴葉の方を見る。
「はあ、よかったですね。でもまた勝負はついてませんよ」
言われて、大地はすぐにゲーム画面に視線を戻す。
「その通りや。俺も見せるとしよか!」
次の瞬間、マルオの超必殺技『キョダイマキシマム』が発動した。
この技は切り札ゲージが満タンじゃなくても使用できる技である。自身の体を巨大化させ、キョダイマキシマム状態の技を使用して相手に攻撃することができる。切り札ゲージが溜まっていればいるほど巨大化の時間が長い。
グングンと大きくなり、オセロとマルオの大きさの差はまさに蟻と巨像。
「これで終わりやで!」
「ああ、終わりだ」
ヨシキの言葉に被せて言ったのは大地だった。
「なに?」
「キョダイマキシマムの発動が遅すぎたな。その技は自分がリードしている状態で発動するべき技だ。大きいってことはそれだけ攻撃が当たりやすく、攻撃力が上がる代わりにスピードを失う」
「だからなん――ッ」
「スピードを売りにしてるオセロとは相性がよくないんだよ。それにお前のライフはもう残りわずか。巨大化してもライフは回復しねえんだぜ」
キョダイマキシマム状態のマルオの攻撃を避けながら何度か攻撃を与えるオセロ。その間に攻撃を受けはしたものの、かろうじてライフを残す。
オセロは相手との距離を取る。
「これで終わりだ!」
相手に向かってブーメランを投げる。それに当たってしまうとマルオのライフは尽きる。なのでマルオはガードする。キョダイマキシマム状態を相手に掴み技は使えない。その代わりにガード状態を維持できないデメリットがある。
つまり。
ガードをした次の瞬間、相手は無防備になるということだ。
「くそ、がァ!」
オセロの攻撃がキョダイマキシマムマルオに炸裂した。
「俺の負けや」
立ち上がり、大地の前までやってきたヨシキが言う。そして、右手を前に出した。
握手を求められた大地は戸惑いながらもそれに応じる。
「美咲のこと、頼んだで」
「あ、いや、だからその」
多分まだ誤解してんなこいつ、と思ったのは大地だけではないだろう。正直ゲームをしていてその辺のことはすっかり忘れていた。大地の後ろの琴葉は呆れたような見ているし、ヨシキの後ろにいる美咲はそんなこと言ってたなあみたいな顔をする。
「ただ、もし美咲を泣かせるようなことがあってみろ。本気でしばくからな?」
「いや、だから」
「何だよ?」
なんであいつ訂正しないんだよ、と美咲の方を睨む彼女はそれを気づいた上で舌をぺろっと出すだけだった。どうやらわざとらしい。
「俺と美咲は別にそういう関係じゃなくて」
「体だけの関係だって言うのかッ!? 俺の美咲がお前みたいな奴に汚されたのか!? ふざけんじゃねえぞッ! うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
叫んだヨシキはそのまま走り去ってしまう。
結局誤解が解けないまま、何ならばさらに面倒くさく誤解されてしまったが、追いかけて訂正するには既に彼は見えなくなっていた。
「お前、後で訂正しとけよ」
「はーい」
あはは、と笑いながら美咲が信用ならない返事をする。
このままだと次会ったときに何をされるか分かったものではない。本当に我を忘れて飛びかかってくる可能性だってゼロではないのだ。
「それにしても、ヨシキくんに勝つなんてやるやん。よっぽどうちと離れるのが寂しかったんやね」
「そういやそんな話もあったな。すっかり忘れてたぜ」
「照れ隠しってことにしとくわ」
本音なのだけれど。
大地としては四天王であるヨシキと戦えれば何でもよかった。そのお膳立てを美咲がしてくれたので乗っかっただけなのだ。
そして、ヨシキは本当に強かった。
一つ操作を誤れば負けていた。しかし、今回の戦いは確かに大地に力を与えたことだろう。
この経験が、大地をまた一つ強くした。
「確信したぜ。その四天王ってのを倒していけば俺はもっと強くなれる」
「せやねー」
「残りの四天王の情報を教えてくれ」
訊かれた美咲はんーっと考える。そういえばいつの間にか琴葉の姿がなくなっている。ヨシキが騒いでいた辺りからいなくなっていたような気がするがどこへ行ったのか。勝手に帰るような子でもないはずだが。
「一人目はヨシキくん。勝って喜んでいるところ悪いけど、彼は四天王の中では最も最弱や」
「それ言いたいだけじゃねえの?」
ベタベタなセリフである。
「ま、信じるか信じないかは大地くん次第やね。そんで二人目はマッスルさん」
「はい?」
「マッスル藤岡さん。彼は四天王の中では一番遅くにプレイし始めた人や。でも実力はヨシキくんよりも上。愛の力というのは偉大なんやね」
「愛の力?」
大地のツッコみはスルーして、美咲はそのまま説明を続ける。
「三人目はメアリーさん。金髪でナイスバディな大人の女性やで」
ナイスバディというのであれば美咲も負けていないのでは、とそう思いながら大地は彼女の胸元を見た。やはり大きい。それでいてウエストはしっかりくびれている。つまりナイスバディだ。
「大地くん、どこ見てるのかな?」
「はるか先、未来だ」
「何言うとんの」
誤魔化そうとわけの分からないことを言う大地に美咲が珍しくツッコみを入れた。
そのタイミングでお手洗いに行っていたっぽい琴葉が手をハンカチで拭きながら戻ってきた。
「それで、最後の一人は?」
「ん? もう知ってるやん」
「は?」
言いながら、美咲は琴葉の方を見る。琴葉は話の流れを一切知らないので二人に見られて戸惑っている様子だ。
「最後の四天王は琴葉ちゃんやで」
「なんで言うんですかっ」
美咲の一言で全てを察した琴葉が顔を赤くしながら言う。
その反応を見る限り、それは事実らしい。というか、よくよく考えるとヨシキよりも普通に強かった琴葉がそうであると考えなかった方が不思議だ。
言われてみると納得である。
「なんで隠すんだよ?」
異様に嫌がっている琴葉に大地が訊く。
「せやせや。ゲームが強いって言われているのと一緒やで?」
「そのカッコ悪い呼び方が嫌なんです」
四天王。
まあ、確かにダサいといえばダサいのかもしれない。讃えられているようで気持ちがいいが、冷静になって考えると中々に恥ずかしい。それを中学生の琴葉が思っているのが、いかにも多感な時期という感じがする。
「いいじゃねえか。四天王を全員倒すってことは最終的にお前も倒すってことなんだろ? この目標を達成したとき、俺はお前にリベンジを果たしたことになる」
ふんふんと頷きながら大地が言う。
しかし、琴葉はそんな彼に対して溜息をつく。
「ヨシキさんに勝ったからって調子に乗らない方がいいですよ。あの人はまだ弱いんですから。その……四天王の中では」
めちゃくちゃ恥ずかしそうに琴葉は言った。
「それはさっき美咲に聞いた」
「……っ」
仕方なく言ったのにそんな指摘をされたからか、琴葉は俯いて肩をプルプルと震わせた。よほど恥ずかしかったらしい。
「待ってろよ、四天王最強の女子中学生ちゃん」
大地がからかうように言うと、琴葉がぶんぶんと手を振って攻撃してくる。
「んもうっ、言わんとって!」
恥ずかしがる琴葉を、その後も暫くの間からかった大地と美咲だった。