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第10話

 オーエンはディグリス副魔法長にどうして怒られているのか、まったく分からなかった。ディグリス副魔法長の言葉から察するに、僕の常識は常識とはかけ離れているようだ。オーエンの地図をもう1つの班にディグリス副魔法長が移動魔法でおくり、地図を見ながらトラップを避けて歩き出した。


「でっ、でもマジックバックがこっ国宝級は言い過ぎでっですよ。

 ディグリス副魔法長」


「言い過ぎではなない。魔法省に勤める者も持っている人は殆どいない」


「いっいやだって、私。あの。魔導具しゅっ修理しっしたり、作ってくっくれる人がいったらって話してる人がいて。いっ意見箱じゃないですけど、箱をおっおいたんです」


 オーエンは部屋に引き篭もって外が嫌いだとか、人見知りで怖がりだけど人嫌いというわけではない。女性は苦手だけど。他人と少しでも関わりを持ちたい。そんな思いから、魔導具作ります。ご要望と作って欲しい魔導具に丸をつけてお金をつけてこの箱に入れてください。箱を設置したのだ。


「ひっ1人しか依頼が入らなくて、依頼のひっ人からマジックバックはだっ、誰でも作れるからうっ売っても、もっ儲かりません。書かれてたからやっやめたぐっぐらいで」


「ちなみにいくらで売った」


「ほっ、本当はきっ金貨一枚。教えてあげ、あげたぶん安くしてと言われたので、銀貨1枚で」


「ぼったくられているからな。本当なら相場は金貨5枚以上だ。

 魔導具の相場の勉強もしようか。オーエン」


 何か言うたびに勉強することが増える。オーエンは勉強が嫌いだ。ノリと勢いフィーリングで魔導具やスクロールを作るのが楽しいのだ。勉強は知識を得る事はある。余計な知識を得ることもある。異物が入るのが嫌なのだ。話を逸らしてみることにした。


「ディグリス副魔法長。きっ騎士団の方はのんびり、余裕そうでっですね。普通は警戒しっしそうなのに」


「俺も思った事だ。警戒心がなさ過ぎる。だからこうなる」


 ディグリス副魔法長はやはり気が付いていた。オーエンも杖を構える。上からゴブリンが複数。棍棒を構え現れた。


「「ディフィンシオオベシア」」


 ディグリス副魔法長とオーエンの防御結界魔法。ディグリス副魔法長は青。オーエンは紫の結界が騎士団を包みゴブリンの攻撃を防いだ。

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