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再会議

 次の日の朝、田代は辺見家の全員にお礼を言い、その足で研究所に向かった。

 午後、ミーティングが開かれ、昨日の話をみんなに報告した。その結果について、全員安堵の表情を浮かべていたが、そこで田代は強く言った。

「今度のプロジェクトでは、辺見さんのご家庭の内側まで覗き見るような感じになります。データのセキュリティの問題だけでなく、知り得たことを外部に漏らさないような配慮を強くお願いいたします。このことが原因で仲の良いご家庭が壊れるようなことがないようにしてください」

 田代の目と表情には強い意志が感じられ、その気持ちは全員が共有することになった。

 その上で岡田が口を開いた。

「今回のプロジェクトで大きな課題だったところがクリアされた。ここからは今回ご協力いただく辺見さんのご期待にお応えするべく、我々の更なる頑張りが要求される。正男をお預けするまで、最後の確認を怠らないように」

 岡田はこのプロジェクトの次のフェーズに行くために、みんなの気持ちを引き締めた。その上で正男の引き渡しは1週間後ということが確認された。


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