カエルの申し出を受け、金の鞠を取り戻したお姫様は、嬉しそうにぴょんと肩に乗ってきたカエルを連れて厨房に向かいました。
それからむんずとその小さな体を掴んで、料理長に向かって、
「今晩のお夕食は、カエル料理にしてちょうだい」
とお命じになりました。
カエルは約束が違うと騒ぎますが、お姫様はにっこり笑って一蹴します。
「あら、どうして? 約束どおり、私とおんなじ食卓につかせてあげるわよ。ただしお皿の上でね」
「でも、でも……ベッドへも、お庭へも、どこへでも一緒に連れて行ってくださるって……」
「ええ、もちろん連れて行ってあげるわよ。私のお腹の中でね」