「もしもし…あれ?」
「嶽丸の携帯で、まちがいないですよ…?」
「あ…そうですか、あの、嶽丸は?」
嶽丸は…?だとぅ…?!
「今シャワー浴びてます…けど…」
語尾を意味深に開けつつ答えると、明らかに電話の向こうの人が笑ったのがわかった。
「…みゃーも入るか?…今お湯を張ってるから…」
と言ったところで、私が腹這いになって携帯に耳を当てていることに気付いた嶽丸。
「うん。ありがと。…じゃあ…私も入っちゃうね」
言いながら体を起こすと、耳に携帯を当てながら、嶽丸の膝に乗ってチュっとキスを落とした。
…私たちのやり取りもキスの音も、全部ミズドリさんには聞こえてるはず。
甘えるようなキスをされて、嶽丸は若干、目を見開いた。
「…はい」
自分の耳に当てた携帯を嶽丸の耳にあてがう。すると「…え?俺?」と、ハッとした様子。
「もしもし…」
そのまま声にする嶽丸をじっと見つめた。
私の顔に「浮気を疑ってます」って書いてあるのだろう。
私から目をそらさずに携帯の相手の話を聞いていた。
やがて話は終わったみたいだけど…その話のほとんどは、聞く内容だったみたいで、何が何だか全然わからない。
「ねぇ…俺のこと、どうするつもり?」
着信を終えて、携帯を放り投げ、膝の上の私を抱きしめる嶽丸。
「膝に乗ってチューとか…可愛すぎて困る…」
「そうじゃないでしょ?電話の女の人…ミズドリって…昨日一緒だった人…!」
「ん?女じゃなくて…鳥だよ鳥」
嶽丸は腰に巻いたバスタオルを外して、膝の上の私を抱きしめるから…
ちょっと焦った。
嶽丸のTシャツを着せられているだけ…
「ちょ…っと…入っちゃう」
「うん…入っちゃうね」
また始まる甘い展開…
あれ…?私、お風呂に入ろうと思ってたのに…
私はまた、嶽丸の指先に昂ることになる…
やがて…汗ばんだ体を抱きしめあい、深いキスを落としながら…
初めて気付いた。
「嶽丸…もしかして、さっきから…」
「うん…避妊してない」