「ちょ…もうっ…バカっ!ブタ野郎って言われたのに、なんでっ…?!」
「…会いたかった…みゃー…」
…ヤバいヤツだ…コレ。
と…とりあえず落ち着いてもらわないと…このまま抱き潰される…!
「…酒くさいっっ!」
叫んだ私の声で、頬へのキスがピタっとやんだ。
「わかった…今シャワー浴びてこようと思ったんだよ」
唇は離れたけど、腰を撫でる手がスーッと下に下りて来るのがわかる。
「俺の好きなスカート…」
フニフニとお尻を撫でるスケベな手が、スカートの裾を目指して降りていく。
ツネってやろうかと思って見上げると…半開きになってる唇から赤い舌が覗いて…見下ろす目が官能的…
そして気づいてしまった…
お腹のあたりに押し付けられた熱が、さっきより硬くなっていることに。
これは…本気でヤバい。
…ってか、ブタ野郎の続きは?
え?浮気の疑いをかけられて…なに盛ってんの?
「浮気なんかしてねぇよ?」
「…わかったからっ!」
裾にたどり着いた指が、少しずつスカートをめくっていく。
「これから、し、仕事なんじゃないの?!」
「…浮気したって疑ってんだろ?」
「それは…あんな風に腕を回してるところを見れば、誰だって…」
「俺はみゃー以外、こんな風にならない…」
知ってるくせに…と言いながら手を引かれ…硬さを増した熱い塊にあてられた。
「…あ…」
私の手が、その熱さと形から嶽丸の今を感じ取った。
…嘘だ
さっきからわかってた。
ハグされた瞬間、嶽丸がずっと我慢していたこと。
それは欲望という意味ではなく、私に会いたいと願っていた切ない愛について。
我慢してたんだ…私と離れて過ごすことを。
…嶽丸の切なさが溢れ出すのを感じて、私はそっと嶽丸の唇に…自分からキスをした。
抱きしめ合う…というより、絡まり合うような行為を繰り返して、気づけばどれくらい時間がたっていたんだろう…
シャワーを浴びに行った嶽丸の携帯が振動してる。
「ミズドリ…?」
画面に表示された名前は、昨日嶽丸が腕を肩に乗っけてた女性の名前。
…電話してくるって…なに?
「もしもし…」
着信、繋いでやったけど?