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私のポチくんと俺のタマ
桜立 風
恋愛現代恋愛
2024年11月28日
公開日
6,314文字
連載中
29歳という微妙な年齢ながら、恋人がいない霧島美亜には、結婚願望がない。
ずっと1人で自由に暮らしたいという、あまり共感されない願いを抱いていた。

そんな美亜のもとへ、ひょんなことから3歳年下の幼なじみ黒崎嶽丸が居候させてほしいとやってきた。
彼は札付きの遊び人で無類の女好き。そして嫌になるほどイケメン…。

そんな嶽丸だが、超絶家事が得意なことから、それら一切を引き受ける家政夫になることを条件に、同居することになる。

始まった同居生活。
美容師として働く美亜に仕事上のトラブルが次々に舞い込み、ろくに休めず働きづめの日々。

そんなお疲れの美亜を、嶽丸が自分の胸に抱いて眠らせてくれた。きっとどんな女にも差し出してきたであろう嶽丸の胸は、美亜にとって意外なほど心地よい癒やしだと感じる。

…それは嶽丸も同じで、お互いのぬくもりは特別なことだと感じた2人は、少しずつ距離を近づけるが…

遊び人のクズなのに、余裕と包容力を兼ね備えた嶽丸と、結婚の約束はいらない美亜。

女には百戦錬磨の誇り高き嶽丸が、美亜にいいように翻弄され、最後に2人が着地する場所とは…?

プロローグ 第1話

「いいから、遠慮しないで甘えてみ?」



こんな甘ったるい顔は見慣れているはずなのに…

たまにやってくる言いようのない不安や焦りを、嶽丸はまるごと包んで見えないようにしてくれる。


こんなときは、寄りかかってしまおう…


ポスッと、待っている胸に頬を埋めてみれば、その意外なほどしっかりしたからだにドキンとした。



「いつでもこうしてあげるから、あんまり頑張るな」



ちょっと上を向けば、形の綺麗な唇が見える。

頭を撫でてくれる大きい手…チュッとこめかみに当たるのは、さっきの唇?



あれ…嶽丸って、こんなに私を甘やかして、どうするつもり…?


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