※文末にある「旅後録」を読むと全体の理解が深まります。
第1回帝国議会
貴族院
部属分けの抽選
明治23年11月25日(火曜日)午前9時35分開場
伊藤博文議長:貴族院成立規則第四条に基づき、議員の着席順を決めるための抽選を行います。
(金子書記官長が抽選対象者を読み上げる。安政元年3月生まれの議員)
(抽選実施)
(金子書記官長が抽選対象者を読み上げる。萬延元年3月生まれの議員)
(抽選実施)
伊藤博文議長:次に、貴族院成立規則第五条に基づき、所属部を決定します。書記官に抽選させます。
(抽選実施。貴族議員の名前と所属部が次々に読み上げられる。)
伊藤博文議長:抽選が終わったので、各部ごとに氏名を掲示します。議院開会まで二、三日ありますが、議院規則を開院後すぐに採用するために、開院前に皆さんに出席していただき、事前に相談しておいていただけたらと思います。開院後、正式な会議を行うことは当然ですが、議院規則が速やかに議会で採用されなければ、その間はすべての議事に取り掛かることができません。ですから、明日、明後日、28日と三日間の開院までの間に、相談会を開かれることを希望します。ただ今抽選が終わりましたので、各部に退散していただき、成立規則第七条に基づき、部長と理事の選挙を行ってください。
午前10時15分閉場
旅後録
この議事録は、明治23年(1890年)に行われた第1回帝国議会の貴族院における、議員の着席順と所属部を決める抽選の様子を記録したものです。
当時の貴族院議員は、皇族、華族(公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)、勅選議員で構成されていました。
この抽選によって、各議員の着席順と、所属する部(第1部〜第7部)が決定されました。
伊藤博文議長は、開院前の準備として、議院規則に関する事前相談会を各部で行うように指示しています。