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第300話・迎撃態勢03


『……つーわけで十六夜一族ウチは今、襲撃準備を進めています。

 多分数日以内に事を起こすと見て間違い無いかと……』


俺は東北の家で、例の十六夜いざよい一族の青年から情報を受け取っていた。


「ありがとうございます。


 こちらも鬼には、なるべく死人を出さない方向でとすでにお願い

 してありますから。


 そちらも気を付けてください。

 身内にバレないように―――」


『ホンットすいません!


 年寄り連中がやたらヤル気満々で、若いヤツほど消極的なんですよ。

 あ、長老も後方で指揮を執る予定なんで、それ見かけたらそっちは

 煮るなり焼くなりで……』


一族という組織の中では表立って反対も出来ないのだろう。

下手をすれば妖よりヘイトをかせいでいそうだ。


俺は通話を終えると、迎撃準備を進めていたメンバーに一斉にメールを

送信した。


結局、この襲撃に対応する事になったのは―――


自分、裕子さん、倉ぼっこの理奈。


弥月兄妹みつききょうだいと鬼の舞桜さん、川童かわこの銀。


このチームをAとして俺の家を中心に襲撃者たちを撃退する運びだ。


そしてBチーム……

現在、一つ目小僧さんと猫又ねこまたさん、唐傘からかさお化けさんが住んでいる屋敷に、


雲外鏡うんがいきょうさん・飛縁魔ひのえんまさん・雪女さん・烏天狗からすてんぐさん・煙羅煙羅えんらえんらさんが

参加する。


野狐やこの詩音は、例の女子高生3人組―――

卯月うづきさん、速瀬はやせさん、もみじさんと一緒に群れを指揮し、


AチームとBチームをフレシキブルにサポート出来るよう、遊撃部隊として

動いてもらう予定だ。


「何か妖怪大戦争という感じになってきたなあ。

 だけど向こうから来ると言っている以上、仕方ない。


 降りかかる火の粉は払わなきゃならないからな」


俺は独り言のようにそうつぶやくと、メンバーの集結を待った。




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