『ほほぉ、まああらましはメールで確認していたがの。
ま、若い者を死なせるのはこちらも寝覚めが悪いしな。
しかし反転の
後日、俺は鬼の
前持ってメールで情報は伝えていたものの、やはり彼女がターゲットと
なると、改めて連絡せずにはいられなかった。
最強戦力次第で人死にが出るからなー……
それだけは避けないと。
「しかし、相手は弥月家のような一族、集団という事です。
『そこは
のう、アナタ♪』
「え? そこに弥月さんのお兄さん、いらっしゃるんですか?」
俺が思わず聞き返すと、
『今ちょっと都内に彼と一緒に来ておっての。
変わるか?』
と、俺の返事を待つ事なく琉絆空さんに変わる。
『ああ、どうも
「弥月さん、
まあ恋人同士だから一緒にいても何の不思議も無いのだが……
それに舞桜さんは東京にも何度か来た事があるはずだし。
『いや、島村建設ってところに行ってたんですよ。
舞桜さんの山に手を出そうとした―――』
「?? あそこに?
それはいったいどんな用件で……」
そこは確か、裏は非合法の組織だったはず。
俺が頭の中が疑問符でいっぱいになっていると、通話が舞桜さんに変わり、
『あー、一応あの山の所有権を持っているのはアイツらじゃろ?
それで琉絆空様を山の管理人にしてくれないかと頼みに行ったのだ。
最初はアタイが主だと言っても信じなかったが、
目の前で500円玉を引き千切ったら信じてくれたぞ?』
相変わらず
ちょうどいいんだろうけど。
「しかし、どうして彼を管理人に?」
『ああ、弥月一族は人様に疑われぬよう―――
しっかりとした職を持っているようじゃからな。
ただ職場が東京だとあまりに遠距離でのう。
ならばアタイの山の管理人になってもらおうと思い、『頼み』に来たのよ』
まあ向こうにしてみれば是非も無かっただろうな。
そもそもお供えする時以外山に入るな、と言ったのはこちらだし。
すると今度は琉絆空さんに変わり、
『えっと、もちろんタダじゃありませんよ。
大判1枚渡しましたから。
帰りは
大判って、確か1枚1千万円以上って言ってなかったっけ。
そりゃ文句は出ないだろう。
「わかりました。あ、それと―――
襲撃の日は例の
ですが油断しないようにお願いします」
『わかりました、では』
そこで俺はスマホの通話を切り、次の相手の番号を探し始めた。