「はあ、そうですか。
東北のあの家に襲撃してくる可能性がある、と―――
貴重な情報ありがとうございます。
その時期とかはわかりますか?
はい、はい……
わかりました。そちらもお気を付けて……失礼します」
東京、会社近くの飲食店の前で―――
俺はとある密告を受けていた。
スマホの通話先は、あの時偵察にやって来ていた若者の1人で、
自分の
あちらの妖怪たちを討伐に向かうという内容だった。
「とにかく情報共有しないと」
そして俺は定時後、裕子さんや理奈、詩音たちと会う予定を組み始めた。
「反転の
「前来た子の話だと、完全に封じるモノでは無いらしい。
ただ
チェンジしてしまうって」
夜、裕子さんのマンションに集まったみんなに、俺は状況を説明する。
「まーた厄介なモン持っているねー」
「せっかく主様が何も無かった事にして帰してあげたのに……」
倉ぼっこの理奈と
「ホントお年寄りって、芸風変えられない人多いねー」
「それにしても問答無用って一番質が悪い―――」
「……ならばワタシたちも是非も無し……!
詩音お姉様を害す者は死あるのみ……!!」
女子高生3人組の方が怒りのオーラを発し、それを詩音が
頭を撫でて落ち着かせる。
「東北の家には?」
「事のあらましはメールで送った。
弥月家にも当然送っている。
旅館『
言ってたから」
裕子さんの問いに俺が答えると、周囲はうなずき、
「ミツはどうするのー?」
「トラブルは避けたいけど、向こうからやって来るんじゃあなあ。
ただ若い人たちは消極的だって話だし、せめてそちらだけでも手加減して
くれるよう、
どちらにしろ、みんなと会って本格的に対応を考えないと」
理奈の質問にそう答えると、
「それにしても、今時迷惑な方たちですわね」
「返り討ちにした
恋人2人の後に、女子高生3人組が続き、
「私たちの幸せを
「何人たりとも、詩音お姉様には触れさせません!!」
「……悪即斬……!!
……サーチ&キャッチ&デストロイ&エリミネート……!!」
「どうどう、落ち着いて。
そして詩音が彼女たちをなだめ、ある程度話し合ってから―――
詩音と女子高生3人組は、新たに借りた同じマンションの別の部屋へと
戻っていった。