「来たか、お前たち」
「ではさっそく報告を聞かせてもらおうか……
まずは
とある地方、閑静な田舎の風景が広がる屋敷―――
その大広間に、古めかしい衣装をまとった老人たちが座り、
その前に現代風の洋服を着た若者が3人、土下座するように
頭を下げていた。
「ではまず、自分からで……」
彼らは東北の
メンバーで、
包み隠さず、その時の状況を説明し始めた。
「助けられた、とな」
「はい。どうも日射病にかかったようでして。
気が付いたら
調査対象に助けられたというのは想定外だったようで、長老たちは
顔を見合わせるが、
「
「ええ、レンタカーを借りていく事も考えたのですが―――
田舎でしたし、中途半端なところに停めたら却って疑われるのではないかと
思いまして」
都合の良いように話を作り変えて彼らは話す。
「まったく、これだから今の若いものは。
暑さごときにやられるとは何事か」
「だからこそ、
「まあよい。それでどうなったのだ?
そこで最後の1人が頭を上げ、
「はっ。鬼、
事前情報通り、その全てに人間の恋人がおりまして。
都会の人間が珍しかったのか、普段の仕事から生活の状況まで、
向こうから話してくれましたよ」
そこで、長老と若い者たちの対角線上にいた司会役と思われる男が、
「人と自然に暮らしていたというのか?
だがそれは恋人同士、縁で結ばれた者たちだからという事であろう。
実際に……
それ以外の人間との付き合いはどうだったのだ?」
すると最初に報告を命じられた風道の若者が、
「それについてもござります。
実はその後、彼らの中の1人が働いているという旅館で
一泊しまして―――」
そして彼らの報告は続けられた。