あれから3日後―――
ケーブルTVの契約と同時にネット回線も無事開通し、俺は一通り
職場へ現状を連絡すると、さっそく仕事のやり取りを始めた。
もちろん倉ぼっこや
仕事に関係無いし、言ったところで頭がおかしい人認定されるだけだろう。
そして世の中、頭のおかしい人には厳しいわけで。
「ミツ! 川童が獲物とって来たからお昼にしよう!」
倉ぼっこが俺の仕事場である一階の居間に入ってくると、
そこにはバケツ一杯の魚や
「そうだな。じゃ、それをくれ」
俺はバケツを受け取ると、台所へと向かった。
「やっぱり人間の食事はオイシー♪」
「火を通して味付けされた魚やカニはホントに美味いっぺよぉ!」
2人は満足そうに俺の手料理を頬張る。
出来れば調理も彼らにやって欲しいところだが……
川童は水の妖怪。火を扱えというのは酷というものだ。
倉ぼっこは子供の外見で身長が130cm前後というところか。
その背丈で台所で料理をやらせるのは不安しかない。
というわけで選択肢は俺しかなく、朝昼晩作る事になってしまった。
まあ料理と言っても、今出したものなんかは魚の内臓を取って油で素揚げに
しただけだ。
動画サイトなどで獲物を獲って調理するところまでをUPする人がいるので、
それの見よう見まねで何とかやっている。
「油や調味料は使うけど、これだったら安く済むな」
「川とかで獲って来るんだったら、食材は
外見は少年の妖怪に俺は首を横に振り、
「村役場に問い合わせたんだけど、漁業権というものがあるんだよ。
年間5千円ほど支払わなきゃならない」
「
真っ黒に日焼けしたわんぱく少年のような見た目の妖怪がこぼす。
「そういえば他にも獲れたのあったよね?
それどうしてるの?」
「いや、ありゃ俺さばけねぇよ」
そう、川童が獲ってきた獲物の中にはウナギとスッポンもいて、
それはさすがに俺の手に余るので、大きな
「オラ、そのままでも食えるだべがいいか?」
「ワイルドだな。でも高級食材だし……
どこか引き取ってくれるところがありゃいいんだけど」
だけど俺に商売の販路は無いし、料理店に知り合いもいない。
このまま川童の腹の中に直行かともこの時は思っていたが、
何気なく『どうしようかコレ』という一文と共に動画をSNSに
UPしたところ、地元の
『もしまた獲れたらご連絡ください』と取引が始まったのは、
それから数日後の事である。