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第5話・高級食材ゲット!


あれから3日後―――

ケーブルTVの契約と同時にネット回線も無事開通し、俺は一通り

職場へ現状を連絡すると、さっそく仕事のやり取りを始めた。


もちろん倉ぼっこや川童かわこの事は言っていない。

仕事に関係無いし、言ったところで頭がおかしい人認定されるだけだろう。

そして世の中、頭のおかしい人には厳しいわけで。


「ミツ! 川童が獲物とって来たからお昼にしよう!」


倉ぼっこが俺の仕事場である一階の居間に入ってくると、

そこにはバケツ一杯の魚や沢蟹さわがにが入っており、


「そうだな。じゃ、それをくれ」


俺はバケツを受け取ると、台所へと向かった。




「やっぱり人間の食事はオイシー♪」


「火を通して味付けされた魚やカニはホントに美味いっぺよぉ!」


2人は満足そうに俺の手料理を頬張る。


出来れば調理も彼らにやって欲しいところだが……

川童は水の妖怪。火を扱えというのは酷というものだ。


倉ぼっこは子供の外見で身長が130cm前後というところか。

その背丈で台所で料理をやらせるのは不安しかない。


というわけで選択肢は俺しかなく、朝昼晩作る事になってしまった。


まあ料理と言っても、今出したものなんかは魚の内臓を取って油で素揚げに

しただけだ。

動画サイトなどで獲物を獲って調理するところまでをUPする人がいるので、

それの見よう見まねで何とかやっている。


「油や調味料は使うけど、これだったら安く済むな」


「川とかで獲って来るんだったら、食材は無料タダだよねー?」


外見は少年の妖怪に俺は首を横に振り、


「村役場に問い合わせたんだけど、漁業権というものがあるんだよ。

 年間5千円ほど支払わなきゃならない」


世知辛せちがらいっぺよぉ……」


真っ黒に日焼けしたわんぱく少年のような見た目の妖怪がこぼす。


「そういえば他にも獲れたのあったよね?

 それどうしてるの?」


「いや、ありゃ俺さばけねぇよ」


そう、川童が獲ってきた獲物の中にはウナギとスッポンもいて、

それはさすがに俺の手に余るので、大きなおけに入れてそのままにしていた。


「オラ、そのままでも食えるだべがいいか?」


「ワイルドだな。でも高級食材だし……

 どこか引き取ってくれるところがありゃいいんだけど」


だけど俺に商売の販路は無いし、料理店に知り合いもいない。

このまま川童の腹の中に直行かともこの時は思っていたが、


何気なく『どうしようかコレ』という一文と共に動画をSNSに

UPしたところ、地元の老舗しにせ旅館の目に止まり、


『もしまた獲れたらご連絡ください』と取引が始まったのは、

それから数日後の事である。



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