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第7話 カルマとの約束事

第7話 カルマとの約束事







「そこで、“道具屋”として客が必要な材料ってのは把握しておきたいだろ?」


「あー、そうですね……父さんに発注する道具とか把握、しておきたいですね」


「そう思ってな、主に道具を使用している“討伐士”達から話を聞いた方がいいと思って……呼んではいるんだ」


「“討伐士”??」


「今居るのは、2人だな」



シュヴァートは椅子から立ち上がるとロゼッタの側へと来ては、ロゼッタを連れて執務室を出ていくと“雑談室”へと向かうと豪快な笑い声が聞こえてくる。



「アハハハハハッ!ダメだなー、シイナ!あと一步だったんだろぉ?」


「そうなんだよ、リカルド!もー、最悪っ!!」


「楽しそうな会話中、悪いけど2人共」


「んあ?」


「へ??」



シュヴァートが雑談室へと入れば、薄めのピンク色の髪色で毛先が赤色をさせた少しだけ長めのショートで、少し切れ長な目ツリ目をしたピンク色の瞳をしている。

作業着な感じの服装をした職人気質で、常にフラスコなどを腰に身に着けている青年が壁に寄りかかっている。


その近くの椅子に朱色の髪色をして緑色のリボンで束ねたロングポニーテールにしており、青色の瞳色をしたやや切れ長に少しツリ目をしている。

少し露出しているトレジャーのような服装を着ている少女が座っていた。



「リカルド、シイナ」


「あ!もしかして、ヴェテルのお店の話をしに来た??」


「あー、なんか言ってたな……って事は、シュヴァートさんの後ろに居るのがヴェテルさんの娘さんか?」



リカルドはシュヴァートの後ろで此方の様子を見ていたロゼッタを見つければ、シュヴァートは少し横にずれるとロゼッタは軽くお辞儀をする。



「えっと、“道具屋出張所”の店員をするロゼッタですっ!」


「おう、話は聞いているぜ?なんか、色々と災難だったみたいだな?」


「はははっ………、そうですねー」


「アレでしょ、必要になる道具のリストアップでしょ?」


「はいっ、それを聞きに来ました!あ、メモをするのでっ」


「おうおう、んじゃー……そうだなー」



ロゼッタはリカルドとシイナから、“討伐士”で必要になる道具について話を聞きながらも取り出した手帳にメモしていく。



「そうだ、ヴェテルさんは“魔導具”とか作れていたよな?」


「あ、父さん?そうですねー、作れますよ」


「こういうのとかも、用意出来るか聞いてくれん?」


「ふむふむ…」



リカルドは思い出したかのように“魔導具”の注文ついてロゼッタに話をしては、シイナに耳打ちをしてはシイナは頷いていた。



「確かに、そういうのも必要になるかも」


「あったらあったで、便利になると思うんだが……コレもいいか?」


「“小型のインカム”??」


「おう、今は多少大きいのが王都には売ってはいるんだが………高価で買えづらい」


「なるほど?でも、同じ感じになるんじゃ……それって??」


「いや、材料はギルド国家の“討伐士”側で集めてくる」





ロゼッタは手帳のメモの内容を再度確認してから、一旦ギルド国家の本部から出て歩いていると前からロイドが歩いてくる。



「お!噂の娘か!」


「あ、ロイドさん……でしたっけ?」


「おう!そうだぜ!そういえば、“道具屋出張所”の店員をするって話を聞いたんだけど」


「あ、はい!今は、何が必要なのか“討伐士”の人達に聞いて回っているんですよ!」


「あー、なら“フラン”と“レイヴン”さんなら市場の広場に居たぜ」


「ありがとうございます!」


「おう!がんばれよー!」



ロイドは満面な笑みを浮かべながらも、ロゼッタの頭を優しく撫でるとロゼッタから離れては本部へと入っていく。



(そういえば、初日にロイドさんに見られていたような気がするんだけど……忘れてくれたのかな??)


「とりあえず、市場の広場に居るって話だから急ごっ!」



ロゼッタは走っていき様々な品物が売られている市場へと到着すると、大きな広場へと早歩きして向かえば其処には2つの人影が見えてくる。



「おいおい、フラン!それは、買い過ぎだって!レヴァンさんに、怒られるって!」



少し焦った声を出しているのは黒紫色の髪色で少し長めのショートで前髪が少し長めにしており、紫色の瞳色をした少しタレ目に切れ長な目をしている。

魔導士のような服を軽く改造して、動きやすい感じにさせた服を緩く着た背の高い男性だ。



「大丈夫ですって、レイヴンさん!これなんか、レヴァンさんに似合いそうな服だと思うし!」



目を輝かせては珍しい服を漁っているのは水灰色の髪色をしたウルフカットにしており、薄めの水色の瞳色をした少しツリ目をしたパッチリ目をしている。

軽装なトレジャーハンターのような狩人のような服装を着ていて、腰には腰鞄を身に着けた青年である。



「いや、流石に………ん?」


「こんにちわ!」


「あ!そうだそうだ、レヴァンさんが新しい人が入ったって!キミが、そうなんだね!」


「あ、はい!“道具屋出張所”の店員をします、ロゼッタです!」


「僕、フラン!これでも、トレジャーハンターもやってるし射撃士としてもやってるよ!」


「あー、俺はレイヴン……いや~、女子が入ってくれるなんてなぁー!また、華やかになるってもんじゃん!」


「もー、レイヴンさん!で、ロゼッタさんは何で此処に??」


「実はー、」



ロゼッタは“道具屋出張所”の品揃えについて、フランとレイヴンに話をすると二人して目を輝かせては目の前で悩み始める。



「ドラゴン討伐で、アレが必要になるんじゃない?特に、僕とレイヴンさんには」


「あー、確かに」


「アレ、とは」


「えっとねー」



ロゼッタはがフランから詳しく話を聞きながらも、ちゃんと手帳にメモを書いているとレイヴンはロゼッタの後ろからメモの内容を見ていると、少し前のリカルドとシイナから聞いて書いた内容があった。



「リカルドとシイナちゃんにも、ちゃんと聞いてはメモをしているんだな」


「あ、はい」


「へぇー、魔導具かぁ……リカルドも作れるけど、やっぱ本職でもあるヴェテルが作ると質が違うもんな」


「リカルドさんって、魔導具作れるんですか??」


「我流だけど、作ってくれているよ」


「凄いっ、我流だなんてっ」


「ははっ、今度リカルド本人を褒めてやってくれよ」



少しの間だけだがロゼッタはレイヴンとフランと話をしてから、カルマとの会話を思い出しては慌てて本部へと走って戻っては周りの人からカルマの居所を聞いて裏庭へと向かう。


外は、もう夕日となった空だ。


裏庭へと向かったロゼッタは、夕日の明かりを受けながらも木に寄りかかって座り寝ているカルマの姿を見つける。



(あ、寝てる……)


(このままだと、風引いてしまうよね?起こさないと)


「カルマさん」


「……」


「おーい、カルマさーん??」


「……」


(余程、疲れたのかな?まぁ、真剣に仕事をしていたわけだから……うん、そうなるよね)



ロゼッタはカルマの側へと近寄ってみれば、急にカルマの手が伸びてはロゼッタの腕を掴んでロゼッタを引き寄せて、座ったままロゼッタを後ろから抱きしめるような姿勢になる。



「うえっ!?」


「イヒッ、驚きすぎやろ?ロゼッタ」


「お、お、おき、起きてたんですか!?カルマさん!?」


「おう、起きてた」


「酷いっ、声をかけてたのに!」


「イヒヒッ、わりぃわりぃ」


「絶対、悪いと思ってませんよね!?」


「悪いと思ってるで?」


「むぅ~……」



カルマが可笑しそうに笑いながらもロゼッタの頭を優しく撫でれば、ロゼッタは不貞腐れた表情をしながらもジト目でカルマの事を見ていた。



「それで、さっき“約束”についての話をするって言ってましたよね?決まったんですか?」


「おう!決まったで」


「で、内容は?」


「1週間後の“収穫祭”の3日目、デー、………一緒に周ってくれへん?」


「“収穫祭”、ですか?」


「おうっ」


「まぁ、特に予定は無いので大丈夫ですよ」


「ほ、ホンマにっ!?」


「はい、全然OKです!」


「よしっ!!や、約束やからな!?」



カルマはロゼッタの返事の内容を聞いては、凄く嬉しそうに笑みを浮かべては少しだけ強くロゼッタを抱きしめていた。





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