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第2話 武道大会、強制参加!?

第2話 武道大会、強制参加!?






「え、あ、あのっ??」


「お嬢さんっ、失礼で申し訳ない!たが、お嬢さんに頼みたい事があるんだ!これは、早急な案件でっ」


「え、えっと……とりあえず、落ち着いて下さいって!何か、あったんですかっ?」


「そ、そうだな………落ち着いて、話さなければ意味が、ないなっ」



無精髭の男性が深呼吸をしてからロゼッタの両手を解放すると、ロゼッタは軽く安心した表情をしながらも男性の言葉を待つ。



「すまないな、落ち着いた」


「あ、はい」


「頼みたい理由を先に話すのだが、そろそろ妻が赤ん坊を産みそうだと従者からの話があってな?」


「おー!それは、おめでたいですねっ!」


「あぁ!……ずっと、子供が生まれず妻も今回の事が凄く嬉しそうでな?勿論、私も嬉しいんだ!だが、これから“武道大会”に参加となっていてな……」


「棄権とかキャンセルとか、出来ないんですか??」



無精髭の男性が困った表情をしてから首を左右に振っては絶望したかのような表情になり、ロゼッタも困惑な表情を浮かべていたのだが無精髭の男性がロゼッタの両肩を掴んでは凄んだ表情へと変わっていた。



「そ・こ・で、だ!!」


「へ??」


「お嬢さん、代わりに出てくれないだろうか!?参加賞の金は、お嬢さんに捧げよう!!どうだろう、か!?」


「え、あ、いや、あのっ」


「どうかっ、頼むっ!!」


「ぅ………」



ロゼッタは目の前の必死な無精髭の男性を見ては、無精髭の男性が真剣であり話は嘘ではないのは分かった。


だが、自分は戦った事がないのだ。



「………本当に、参加賞は貰えますよね?」


「あぁ!もしも、決勝戦や準決勝まで行って褒美なども全部、だっ!」


(いや、そこまで行かないけどね!?)


「わ、わかりました……」


「あぁ、ありがとう!お嬢さんっ!これが、番号札の腕章だ」



無精髭の男性はロゼッタに黒い腕章を手渡すと、本当に急いでいるのかロゼッタに深く頭を下げては急いで走っては門の方へと走って立ち去っていく。



「あー、適当に棄権とか……」


「棄権とか、出来ないっすよ」


「うぇっ!?」


「何っすか、その変な声」



ロゼッタは声がした真横を見れば其処には、焦げ茶色の髪色をしたハネっ毛のあるセミロングを後ろで軽く束ねて頭にはライダー用のゴーグルを身につけていて、少しツリ目にジト目をした紫の瞳をしており、白いYシャツを着ていて上着は灰色のファーが付いた青紫色のロングジャケットを着ている青年が軽く笑っていた。



「え、棄権とか出来ないの??」


「そうっすよ、参加した限りは……ちなみに、試合中に白枠から出て失格で追い出されるような真似もアカンっすから」


「えぇ!?だ、駄目なの!?!?」


「ふふっ、まぁー精々頑張るっすよー“代理参加者のお嬢さん”?」


「えっ、ちょっと!?お兄さんっ???」



ロゼッタはゴーグルの青年を呼び止めようとしたが、ゴーグルの青年は別の部屋へと入っていき其処には“関係者立ち入り禁止”と書かれていた。



「ひ、ひどっ……!!」


「庶民が困っているのに、助けないの!?もー、何なのアイツぅっ!!!」


「うぅ………、意地でも参加しないといけないとか…………最悪ぅ~、クソったれ!」




ロゼッタの捨て台詞を聞いたゴーグルの青年は可笑しそうに笑っては、近づいてきた人物を見ては軽く笑いながらも見つめる。



「何や、楽しそうだな?シキくん」


「あー、楽しいっすよ?それより、アンタも参加なんっすか?」


「おん、参加しろってシュヴァートがな」


「あー、さっきの女の子………可哀想だなぁ」


「ん??」



待合室のような場所へと案内されたロゼッタは、落ち着かないのか窓側の側を右往左往していては立ち止まり泣きそうな表情をしている。



「はぁっ~……」


(散歩しなければ、良かったのかなぁ……)



ロゼッタは待合室にある対戦表を見ては、自分の出番は次なんだと確認すると何とも言えない表情をしていた。



「お前も、出るんか?」


「うぇっ!?」



ロゼッタの背後を振り向けば其処には、ココアブラウンの髪色をして左右の横髪の毛先が黒色にロングウルフカットをしていて尻尾を三つ編みにしており、切れ長のキツめのツリ目をして獣のような瞳孔の若葉色の瞳をしている。

黒色のベルトだらけの暗めのモスグリーン色の暗殺者のような服装を着て、口元には嘴のようなマスクを身につけている背の高い青年が窓枠に座っていた。



「イヒヒッ、驚かすつもりはなかったんやけどな」


「び、びっくりしたぁ……」


(あれ、なんか見覚えがあるようなぁ?あれ??)



ロゼッタは目の前の嘴マスクの青年を見ては軽く首を傾げていたが、嘴マスクの青年が待合室へと入ってはロゼッタの目の前に来てはしゃがんではロゼッタを見上げていた。



「なぁ、お嬢ちゃんも参加者??」


「え、あー……まぁ、そうですね」


「そうなんだな!俺も、参加者なんだぜ!いやー、女の子の参加者なんて初めて見たなぁーって思って気になって声をかけたんだ」


「え!?お、女の子の参加者って……わ、私一人!?」


「おん、そうだけど?」



嘴マスクの青年の言葉に余計に絶望したかのような表情をしては、何処となく遠くを見ては諦めた表情へと変わっていた。



「イヒッ、なんか諦めてないか?」


「あー、いや……なんか、色々と無理な予感がヒシヒシと感じてきて」



嘴マスクの青年は何かを考える素振りをしてから、ロゼッタの頭を軽くポンポンと叩いては優しく撫ではじめる。



「???」


「んー、なんか撫でたくなったって感じだな!なんか、小動物みたいだなーって」


「え??しょ、小動物???」


「おん、そう見えた」


「24番の人ー、第1試合開始するで来てください!」


「あ、呼ばれた」


「おー!じゃあ、頑張れよ!お嬢ちゃん!戻ってきたら、名前を教えてくれや!」


「あー、はい」



嘴マスクの青年が両手を挙げては手を振って送っているのを見たロゼッタは、何とも言えない表情をしては軽く頭を下げてから係の人の後を追いかける。


着いた先には、小さめの待機室へと案内されて次に呼ばれるのを待つことになって周りを見ていると、其処には騎士風の服装をしたイケメンなオジサマらしき“浮遊霊”が立っていた。



【おや、可愛らしいお嬢さんじゃないか】


「おじさん??」


【ふむ?お嬢さん、私が“視えて”いるのかね?】


「あ!……あ、はい」


【そうか、“視える”のか………お嬢さんは、この武道大会の参加者なのかい?】


「あー、それは………」



ロゼッタは騎士風の紳士なおじさんに、事の経緯を説明をすると騎士風の紳士なおじさんはロゼッタの頭を優しく触れては撫でている。



【そうか、そんな事があったのだな】


「なんというか、不憫というか……何はともあれ、戦った事が無くてっ」


【ふむ………】



ロゼッタが嘆くように騎士風の紳士なおじさんに相談すれば、目の前の騎士風の紳士なおじさんは何かを考えては何かを思いついた表情をする。



【お嬢さん】


「はい?」


【暫し、“身体”を借りてもいいだろうか?もしも、迷惑ではないならば私が“身体”を操作して参加をするのだが……】


「え!?い、いいのっ?」


【困っている可愛らしいお嬢さんがいるってのに、一紳士たる騎士としては放置など出来んさ!】


「じゃあっ!」



係の人が呼ぶ声がしてロゼッタは、近くにあった立てかけてあった剣を手にとっては武道大会のステージへと向かう。



【動きだけ、力を貸しましょう】


「え??」


【私が、貴女の肉体を操作して戦うのです】


「あ、なるほど!」






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