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第17話 禁錮室

禁錮室に行くと厳重の部屋には必ずあるだろうと思わされる分厚い扉に守られていた


警備員とは少し前で分かれてここから先には此処を警備している人間にも容易に入る事は出来ないと言う事なのだろう。それだけこの場所が重要な場所と言う事を示している。


扉を開けて中へと入ると整理された棚に書類が沢山詰まっていた、どこから見ればいいのか全て見るには休まずに読んだとしても一年はかかると思うくらいに沢山の書類があったが自分に閲覧が許可されたのは平安時代、昭和時代の書物だけだった。ありがたいことに書類の横にいつの時代の書物か一目で分かるようにメモのようなものが挟まっていた。


まずは平安時代の書物を見ることにした。


順番てきにはここかなと思いながらつらつらと見ていくと誰が残したのかは記載がなく、ただ何年かが表紙に書いてあった。それを見てこれはただその時代に起きたものを残すためだけに書かれたものだからそれを担当していたのは恐らく政府の人間でありそれによって不都合だと思われ狙われる事を危惧した配慮なのかも知れない、でもこれは俺の推察であって今も誰かが書き残してる可能性があると言うだけの話だ。


平安時代の書物を見る際古墳時代の書物があった、この時代は謎の四世紀とも呼ばれるほど謎が多い時代の書物があり、本来この時代が記されている書類はないはずなのだが何故か目の前に存在している、これこそがこの場所が禁錮室と呼ばれ立ち入る事ができる人間が極端に少ない理由なんだと思った。


ちらっと見て世間に話せば直ぐに拡散され興味を持たれるだろうがそんな事をすれば逮捕されてしまう上に此処には防犯カメラはないのだが僕には人にない眼がある、これは相手の術が見えるだけではなく色んなものが見える、それは人間の負の感情があるか否か。全ての人間には負の感情はあるがそれが強いかそうじゃないかの違いだが感情の揺れ幅が大きいものがこの部屋に渦巻いている、それは目には見えないが確実に今も人間の目線があちらこちらにあるのが線になって見えるので少しでも怪しい行動をしたら一発でアウトになる。それを見て大人しく本来の目的を続けようと思った。


まずは平安時代これだけでも数はある時間も指定されているので早速読んでみる。


そこには自分が知らない情報で溢れていた、どれも興味深いものばかりだったがその殆どが九尾が話した内容だった。


「どれ、わしの話以外に成果はあったかな」


「九尾、急に現れるな」


「そんな事言わさんな」


「誰かに見られたらどうする」


「おぬしの目にも晴明様にもあった七色の目があるだろう」


「だからって勝手に出てくるな」


「そう言うな札の中にずっといるのも退屈なんだ」


「分かったから、で、何の用だ」


「成果は」


「お前が知らない事はなかったんじゃないのか?」


「世の中全ての事象を知ることなど、どんなに時間があってもどんな力があっても無理な事じゃ」


「じゃあ自分で見ろよ」


「それじゃあお言葉に甘えて」


そう言うと九尾は自分で数ある内から一冊を迷いなく手に取った


俺は俺の知りたい情報を見ることにしたのだが何せ数が多く昭和時代のも含めると時間が足りない、少しでも六条御息所について情報を知らないといけない此処でじっくり歴史を知るのは良いがどうしたものかと考えていると九尾が話かけてきた


「おい」


「なんだ、時間がないんだ」


「それなら何とかなるぞ」


「どういうことだ」


「お前の知りたい事が載ってる資料があったぞ」


「どれ?」


「これだ」


手渡された資料を見ると六条御息所について書かれていたものだった


「ついでにこれも」


「これは?」


「百鬼夜行についてだ」


「どれ」


読んでみると確かに六条御息所と百鬼夜行について今まで見たことのないものだった


「これは」


「約千二百年前に起きたものだが六条御息所が復活したとなると今まで隠れていた悪鬼や他の妖怪、怨霊、怨霊が六条御息所を女王にして百鬼夜行を行うかもしれん」


「どこで?」


「分からんが京都か東京だろうな」


「なんで東京?普通京都だろ」


「今は東京に悪い氣が集まっているだから今の首都で行われてもおかしくない」



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